eコラム「北斗七星」

  • 2018.03.05
  • 情勢/社会

公明新聞:2018年3月5日(月)付



記録的な大雪の福井県で、雪に埋もれた車の中、男性が一酸化炭素中毒で死亡する事故が先月あった。その死亡した男性の母親は警察に繰り返し救助を求めたが、警察は現場に出動していなかった◆そう伝えるNHKニュースは、母親の声も紹介していた。大雪で大変な状況の中でたくさんかかってきた通報の一つだったかもしれませんが、もう少し親身に対応してほしかった◆聞きながら警視庁の一刑事のことを思い出した。「心身ともに重圧のかかる捜査一課での日々は、通算十四年に及ぶ」刑事の話だった(2005年4月13日付東京新聞『心のファイル』)◆「泣いたオニ刑事」という見出しで、刑事の言葉が強く印象に残っている。「被害者が自分の家族だったら、と重ね合わせるんだ。そうすれば、必ず犯人を捕まえなければ、という気持ちになった」◆刑事ではないが以前、旅先で「日本警察の父」と言われる川路利良の銅像に出会った。「県民に背を向けない(本部庁舎に背を向けている)姿」で鹿児島県警本部前に建てられていた◆台座の碑文に次の文言が刻まれていた。『聲無キニ聞キ 形無キニ見ル』。「警察は国民の声や想いを感知し、国民の心に寄り添うべきであるという教えだと言われている」(同県警ホームページ)。良い思い出の一つだ。(六)

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