eコラム「北斗七星」

  • 2018.02.08
  • 情勢/社会

公明新聞:2018年2月8日(木)付



「テロやミサイルなど人命に関わる危機が高まる世界情勢の中、各党が責め合うのではなく、党を超えて日本の安全保持のために知恵を出し合い団結してはどうか」。国会中継を見ているという、中学生の投稿(東京新聞 2月1日付)を目にした。政党・政治家が胸に手を置くべき指摘ではなかろうか◆100年前にタイムスリップしよう。日本に本格的な政党内閣が初めて生まれた年だ。当時の首相・原敬は立憲政友会の首班で、閣僚にも同会の党員(議員)の顔が多数並ぶ◆くしくも、第1次世界大戦の終結と時を同じくした原内閣の船出には、大戦後の国際社会の地殻変動の波が押し寄せ、難しい舵取りを迫られた◆1920年代に入ると、立憲民政党との政権交代が常態化する。両党が国際情勢を踏まえて日本の針路を国会で論議する環境は整うが、「互いに激しく攻撃し合い、足を引っ張り合う(中略)それが政党政治そのものに対する国民の不信と不満を招く」(「政党政治はなぜ自滅したのか?」 御厨貴 文藝春秋)。軍国主義が時代を圧していく主因ともなった◆ここ数年、国際社会は揺らぎ、新秩序を模索するかのように映る。日本はどう歩むべきか。政党・政治家は、論戦を通して国の自画像を探らねばなるまい。各党が責め合っている状況ではない。(明)

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