e危険ひそむ密集市街地 災害に備えワークショップ

  • 2017.12.19
  • 政治/大阪

公明新聞:2017年12月19日(火)付



行政、大学、住民が一体 防災意識の啓発へ
地元を「まち歩き」し点検
大阪・寝屋川市



大阪府寝屋川市でこのほど、密集市街地対策として府・同市、摂南大学の学生らによる住民参加型の意見交換会「防災まちづくりワークショップ」が開かれた。当日は、開催を後押ししてきた公明党の肥後洋一朗府議が地元の村上順一市議と共に参加し、住民らの活発な意見交換に耳を傾けた。

老朽化した木造建築物の密集市街地は、火災や地震などの災害が発生した際、延焼被害が拡大しやすい。その上、家屋の倒壊で避難経路がふさがれる危険性も高いという特徴がある。大阪府によると、府内には7市計11地区に密集市街地が点在。このうち、寝屋川市内には香里地区、池田・大利地区、萱島東地区の3地区がある。

ワークショップで行われた「まち歩き」にも公明議員らが加わり、地域内の危険箇所を確認し合った今回のワークショップは、萱島東地区の住民を対象に行われた。当日、同地区内にある萱島まちづくりセンターに住民ら関係者約50人が集合。地図情報を活用して安全な住環境の改善策を研究している摂南大学の学生らが進行役となり始まった。

まず、震度7の地震が発生した場合、地域内の道路が通行できるかどうかを六つのグループに分かれて話し合いながら地図上の道路を色分けし、問題点を洗い出す。その上で、実際に住んでいる地域を歩き、地域の特徴や弱点を再発見する「まち歩き」を実施。さらに、歩いて気づいた点を再度、地図に反映させ、グループごとに発表を行うというプログラムだ。

最初の話し合いで住民らは「ここは、塀が倒れて通れないのでは」「意外とこの路地は広いから、大丈夫や」と、活発に意見を出し合い、色分け。その後の「まち歩き」では、倒壊する恐れのある塀や家屋のヒビ割れの確認に加え、災害に備えて路地に設置されている消火器の有無なども見て回った。地元住民の藤本延行さん(76)は「いざという時にすぐ対応できるよう、避難路などを確認できてよかった」と話していた。


意見交換の内容を地図に反映。全戸配布も


ワークショップでの発表や意見交換の内容は今後、大学と行政が協力して危険箇所を色分けした防災マップに落とし込み、萱島東地区の住民に全戸配布する予定だ。

ワークショップの開催について肥後府議は、今年9月の議会質疑で、密集市街地で延焼しやすい地域を色分けした地図の作成に合わせて、住民への防災意識を啓発する場の必要性を訴えるなど、一貫して後押ししてきた。

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