eコラム「北斗七星」

  • 2017.12.11
  • 情勢/社会

公明新聞:2017年12月9日(土)付



行政の関わる事業は、税金が絡むことから実施に当たってはより慎重になりがち。仮にニーズがあっても、予算の確保ができず二の足を踏むケースも少なくない。ソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)は、そのジレンマから抜け出す光明になるかもしれない◆仕組みはこうだ。自治体が事業を民間に委託する。請け負った事業者は運転資金を民間の投資家などから調達。成果が出たら自治体は投資家に報酬を還元し、事業が失敗した場合のリスクは投資家が負う。この手法、2010年に英国で始まり、欧米を中心に広がりを見せている◆英国では、まず受刑者の再犯防止策で活用した。軽犯罪者の再犯率が高く、税金を使う刑務所の収監費用増大に頭を悩ませていた。SIBを活用して社会復帰支援策を展開したところ、再犯率が低下。後に国の施策として実施された◆国内でも導入する動きが出ている。神戸市は7月、この手法を使って医療費削減を目的にした取り組みを始めた。糖尿病を患う人に適切な保健指導を行うことで、人工透析を受ける人を未然に防ごうというのが狙いである◆財政負担を気にせず、自治体が社会的課題の解決に取り組みやすいのがポイントだ。ムダな出費はごめんだが、意義ある投資は手厚く。新たな"共助"の取り組みに注目したい。(広)

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