eコラム「北斗七星」

  • 2017.09.19
  • 情勢/社会

公明新聞:2017年9月16日(土)付



来年は「明治元年」からちょうど1世紀半。「維新150年」にちなむイベントが各地で開催されている◆その一方で、徳川幕府がなぜ、260年以上の長きにわたって、「太平の世」を維持できたのか、その理由もさまざまに論じられる。作家の鈴木由紀子さんは、将軍の生母たちの出自に着目する◆徳川歴代将軍の中で、御台所(将軍の正室)から生まれたのは3代将軍・家光だけで、他は大半が側室の子。生まれは農家の娘や八百屋の娘だったりした◆以前、本紙文化欄で鈴木さんは、徳川家が15代続いたのは「たくましい庶民の血筋をたゆまず取り入れたからではないかと思えるほど」と書いている。図らずも"多様性"を受け入れたことが繁栄の一因となったということだろう◆われわれの時代も、人々の多様な生き方や考え方の尊重が、民主主義を発展させる上で欠かせない原則とされてきた。しかし最近は、他者の立場に思いをはせず、独善的な主張を押しつける風潮が目立つ。権力者だけではない。「戦争反対」を叫びながら、人々の思いをつなぐことをせず、逆に対立や憎悪を煽るような政治的意図が垣間見える「平和運動」も少なくない◆イデオロギーに偏することなく、真に人々の願いを受け止め実現していく。公明党の本領発揮が求められる時だ。(千)

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