e11月に広島で「賢人会議」
- 2017.09.04
- 情勢/社会
公明新聞:2017年9月2日(土)付
初会合決まる 核軍縮の進め方議論
公明が提案、被爆地開催訴え
核保有国と非保有国双方の有識者を日本に招き、核軍縮の進め方を議論する「賢人会議」の初会合が、今年11月27、28の両日に広島市で開催されることが決まった。河野太郎外相が1日の閣議後の記者会見で発表した。河野外相は「被爆地広島での開催は意義深い。核兵器国と非核兵器国の対立が深まる中で、両者の橋渡しを日本がしたい」と語った。
賢人会議は、核兵器禁止条約の採択などをめぐって核兵器保有国と非保有国の溝が深まる中、日本が双方の橋渡し役を担うため政府が設立を表明。メンバーは、座長を務める白石隆・前政策研究大学院大学長を含む日本人6人と、核保有国、非保有国、核兵器禁止条約賛成国の外国人有識者10人で構成される。「核軍縮の実質的な進展」のための提言をまとめ、来年4月に開かれる核拡散防止条約(NPT)の準備会合に提出する予定だ。
公明党は賢人会議の被爆地での開催を強力に推進してきた。7月の党核廃絶推進委員会(座長=浜田昌良参院議員)では、公明党の渡辺好造広島市議が賢人会議の被爆地開催を政府に要望。また、8月10日の参院外交防衛委員会でも浜田氏が賢人会議の被爆地開催を訴え、河野外相は「前向きに検討する」と答弁した。同日には党外交部会も申し入れた。
公明党の山口那津男代表は、8月6日に広島市で記者会見し、「核保有国などと、核兵器禁止条約を採択した国との溝が深まり、対話がなされず、核軍縮のできない状況があってはならない」と指摘。「唯一の被爆国である日本こそ、核保有国と非保有国の橋渡し役として、対話を進める立場になり得る」とし、同会議に実効性のある提言を期待するとともに、公明党も後押しすると表明した。
党核廃絶推進委員会座長/浜田 昌良参院議員
保有・非保有国の橋渡しへ
7月の核兵器禁止条約の採択で確立しつつある核兵器禁止の国際規範をさらに広げ、「核兵器のない世界」を実現するには、条約採択の中で拡大した核保有国と非保有国との亀裂の橋渡しが求められており、これこそ唯一の戦争被爆国であるわが国の責務です。
これを実現し、成果を2020年の核拡散防止条約(NPT)運用検討プロセスに反映させる「賢人会議」については「被爆の実相」を共有することが重要なことから、公明党が主張した被爆地開催が認められたことは、「真の橋渡し」のスタートになると期待します。
賢人会議委員
◎日本人委員
白石隆(座長)/前政策研究大学院大学長
青木節子/慶應義塾大学大学院教授
浅田正彦/京都大学大学院教授
小溝泰義/広島平和文化センター理事長
朝長万左男/日赤長崎原爆病院名誉院長
山口昇/国際大学副学長
◎外国人委員
【核保有国】
<米国>
リントン・ブルックス/米国エネルギー省国家核安全保障庁元長官
ジョージ・パーコビッチ/カーネギー国際平和財団副会長
<ロシア>
アントン・フロプコフ/ロシアエネルギー・安全保障研究センター長
<中国>
沈丁立/復旦大学国際問題研究院副院長
<フランス>
ブルーノ・テルトレ/仏戦略研究所副所長
【非保有国】
<オーストラリア>
トレボー・フィンドレイ/メルボルン大学社会政治学院シニア・リサーチ・フェロー
<ドイツ>
アンゲラ・ケイン/元国連軍縮担当上級代表
<カナダ>
タリク・ラウフ/元国際原子力機関検証安全保障政策課長
【核兵器禁止条約賛成国】
<エジプト>
マフムード・カーレム/元駐日エジプト大使
<ニュージーランド>
ティム・コーリー/国連軍縮研究所常駐シニア・フェロー