e被災者と歩んだ2年

  • 2017.08.24
  • 情勢/解説
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公明新聞:2017年8月24日(木)付



福島官民合同チーム
訪問した半数が事業再開
売上高倍増、新補助金の実現も



高木陽介前経済産業副大臣(公明党)が強いリーダーシップで立ち上げた「福島相双復興官民合同チーム」は、きょう24日、発足から2年を迎えた。東京電力福島第1原発事故という未曽有の災害から、いかに地域の生業を復活させるかに取り組んできた官民合同チームの歩みを紹介する。


徹して寄り添う

官民合同チームは「原発事故で被災した相双地域の事業者に徹して寄り添う」との決意で生まれた。仕事を再開したくても、何から手を付ければいいか分からず、思い悩む人が少なくなかったからだ。

そこで、ただ相談を待つのではなく自ら事業者を訪れ、相談に乗り出した。効果はてきめんだった。わざわざ足を運び、顔を合わせて話すからこそ、電話やメールでは聞けない率直な意見や悩みが分かった。

行政にとって耳の痛い話もある。「補助金の使い勝手が悪い」「国と県の連携は取れているのか」。こうした指摘は、中小企業診断士や経営コンサルタントで構成されるコンサルティング部門へ引き継いだ。


親身な対応に信頼

受けた相談は絶対に放置しない。事業再建計画の策定や補助金の申請書類の作成など、実務に関する内容にも応じる。要望に応えられない点も率直に話すことで、事業者の信頼を得た。

これまで訪問した事業者は約4700社。うち半数が事業を再開し、今も継続する。南相馬市で農林水産物の直売や飲食店を営む事業者は、経営支援を受けた結果、売上高が倍増した。

現場の声から政策が実現した例もある。中小・小規模事業者の事業再開に使える新たな補助金はその一つ。複数の企業でグループを作り申請する、既存の補助金を利用できない事業者にとって、大きな励みになった。


拡充された新体制

公明党が推進した改正福島復興再生特別措置法によって、官民合同チームは7月から新体制でスタートした。2年前は140人だった人員は263人に拡充。同特措法によって国の職員が派遣できるようになり、質量ともに増強された。

官民合同チームの福井邦顕チーム長は「『相双の復興なくして福島の復興なし、福島の復興なくして日本の再生なし』との精神で、事業者の自立支援に取り組む」と決意を述べる。

帰還困難区域を除く大半の地域で避難指示が解除された今、事業の再開をめざす帰還者も増えると見られ、官民合同チームへの期待は高まるばかりだ。

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