eコラム「北斗七星」

  • 2017.08.07
  • 情勢/社会

公明新聞:2017年8月7日(月)付



金髪、付けまつげに厚化粧。素行が悪く何度も無期停学に。学力は全国模試の偏差値が30で、小学4年生程度。聖徳太子を「きっと超デブだったから、こんな名前つけられたんだよ。"せいとく たこ"なんて」と真顔で言う◆そんな高校2年の夏休みに、さやかちゃんは難関大学の受験を決意した。きっかけは、通い始めた塾の先生との出会いだった。この、最近テレビで見た映画『ビリギャル』の原作は実話で、『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』(坪田信貴著)◆「私を肯定してくれた先生でした。私を見た瞬間、顔をしかめる大人とは少し違いました。私のことをよく褒めました」と振り返るさやかちゃん。もちろん合格への道のりは平坦ではなかった◆周囲から「お前にできるわけがない」「身のほどを知れ」とばかにされた。父親との仲は最悪で、家庭内はギクシャク。ただ母親が彼女を信じ、応援した。そして「死ぬ気で頑張るって、意外といいもんでした」と後に語るほど変わっていった彼女◆「太陽には太陽の輝きがあり、月には月の、そして星々には星々の明るさがある」(ペスタロッチ)。子どもには、それぞれの輝きがあり、それを信じ育むことが、彼らの未来を開く。夏休みの子どもたちを見ながら、あらためて思う。(三)

月別アーカイブ

iこのページの先頭へ