e高速道に津波避難所

  • 2016.10.03
  • エンターテイメント/情報

公明新聞:2016年10月3日(月)付



公明、ネットワークで推進
三重・紀北町の紀勢自動車道で7カ所



南海トラフ巨大地震による津波から住民の生命を守ろうと、三重県紀北町は国土交通省・中部地方整備局紀勢国道事務所と協定を結び、高台を走る紀勢自動車道の車道脇に安全柵で囲った緊急避難所(7カ所)の整備を進めている。避難所に続く斜面を登る避難階段や、緊急時には住民が「蹴破り戸」(パネル)を破って避難階段を使えるよう緊急避難扉も設置し、住民の安全な避難に配慮している。

紀勢自動車道の紀北町を通るルートは、最近まで紀伊半島をめぐる高速道路整備計画の未整備区間(ミッシング・リンク)だった。唯一の幹線である国道42号が豪雨のたびに寸断され、救急搬送などにも支障を来すケースが多く、高速道路の早期開通が求められていた。2011年の紀伊半島豪雨で公明党の山口那津男代表が被災地を視察。参院代表質問で、災害から生命を守る観点から紀伊半島のミッシング・リンクの解消を強く迫り、建設が急ピッチで進められ、13年に開通した。

同町は熊野灘沿いに位置し、津波被害の危険性が高い上、山側は急傾斜で高台への避難場所も少ない。このため、公明党の大西瑞香町議や「チーム公明 紀北」の中本衛・責任者(前町議)は、高台への避難所設置に向けて調査。公明党の県議や国会議員とのネットワークを通じて、新たな高速道路への避難所設置を求めてきた。

これに対して、国は東日本大震災の際に、住民が高台を走る高速道路の法面に登ることで、津波から逃れられた教訓を基に、高速道路内に緊急避難所を設けることを検討。高速道路建設当初から緊急避難所の設置が計画に盛り込まれた。大西町議と中本さんはこのほど、町内6カ所目の緊急避難所として海抜36メートルの地点に完成した「出垣内避難所」を視察。この地域は、マグニチュード9クラスの地震が発生した場合に、最大5メートルの津波が押し寄せると想定され、「避難所の完成により、迅速に安全性の高い場所へと住民が避難できる」と話していた。

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