eコラム「北斗七星」

  • 2016.09.26
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年9月26日(月)付



幼いわが子が自分で歯磨きをする成長ぶりは、なんとも愛くるしい。だが、その歯磨き中に転倒して歯ブラシで喉を突くなどの事故が多発している◆東京都が8月末時点で把握している2011年以降に起きた5歳以下の子どもの歯磨き中の事故は、東京消防庁管内の救急搬送事例だけで217件に上る。このうち入院に至ったケースが36件もあった◆入院の事例は「歯ブラシを口に入れたまま歩き回って転倒。たんすにぶつかって、喉に歯ブラシが刺さった」(2歳、5日間入院)、「歯磨きの後、歯ブラシをくわえたままソファーで寝ていたが、母親が目を離した隙にソファーから転落。口腔内に歯ブラシが刺さって出血した」(1歳、5日間入院)などだ◆こうした事故を防ぐには、「乳幼児が一人で歯磨きをする場合、保護者がそばに付き添うことが肝要」(都生活安全課)。さらに、「歯ブラシをくわえたまま歩いたり、遊んだりさせない」「不安定な場所に座らせたり、立たせたりして歯磨きをさせない」よう、くれぐれも注意したい◆一方、事故多発を受けて都商品等安全対策協議会は、子どもに対する「歯ブラシの安全対策」の検討に着手した。今後、アンケート調査や事故の再現実験を行い、具体策を提言する予定という。速やかな対策を期待したい。(翼)

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