e熊本地震3カ月 復興道半ば

  • 2016.07.14
  • 情勢/社会
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公明新聞:2016年7月14日(木)付



公明、加速に全力



熊本地震は、最初の震度7から14日で3カ月となる。仮設住宅建設が熊本県内の各地で進むが、依然約4700人が避難生活を続ける。倒壊家屋の撤去は進んでおらず、寸断された交通インフラの復旧も始まったばかりで復興は道半ばだ。発災以来、被災者に寄り添い続ける公明党は、引き続き復興加速に全力を挙げる。

県災害対策本部によると、13日時点で熊本市や益城町など16市町村の94避難所に4692人が身を寄せる。

被害の大きかった益城町や南阿蘇村などでは、いまも倒壊した建物が無残な姿をさらし、倒壊を免れた木造家屋も屋根をビニールシートで覆った家が目立つ。

熊本市と阿蘇地域を結ぶ国道57号やJR豊肥線は大規模な斜面崩落により寸断されたままだ。南阿蘇村の入り口に当たる阿蘇大橋の崩落で、観光や通学などへの影響が続いている。国土交通省は下流部に橋を架け替え、崩落現場北側に新たなトンネルを通すことを決めたが、完全復旧までは数年かかる見通しだ。

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入居が進む仮設住宅


「久しぶりの家族だけ」

熊本地震で多数の家屋が被災した熊本県では、2016年度補正予算の早期成立が追い風となり、仮設住宅の建設が急ピッチで進んでいる。

12日現在、熊本県が整備を進める仮設住宅(1DK、2DK、3Kの3種類)は16市町村で86団地3631戸を数え、このうち39団地1429戸が完成、順次、入居が始まっている。東日本大震災を教訓に、入居者のストレス軽減や孤立化を防ぐため、20戸以上の仮設団地には、木造集会施設「みんなの家」を設置しているほか、団地の中央部に単身世帯を集めるなどの配慮がなされている。


期待と不安胸に 生活再建へ新たな一歩

「入居者のほとんどが地域の顔見知り。安心して生活できています」

笑みを浮かべてこう話すのは、震度7に2回襲われた益城町で6月20日から入居開始となった津森団地(73戸)に身を寄せる山内惠理さん(60)だ。同町では被災自治体で最も多い12団地1285戸の建設が進む。中でもテクノリサーチパーク東側に建設中のテクノ団地(516戸)は県内最大規模。同町の都市計画課は「テクノ団地への流通大手の仮設店舗出店やバス路線の新設により入居希望者が増えている」と手応えを語る。

一方、阿蘇地域で甚大な被害を受けた西原村では今月6日、運動公園予定地に計画する4団地302戸全ての建設を終えたばかり。12日の午前10時すぎ、小森第2仮設団地を訪れると、多くの入居者が新生活に向け、部屋の掃除や荷物の搬入に汗を流していた。

この日、夫婦で入居した上村富美男さん(65)は、1DKの室内を見渡しながら「入居期限の2年後を考えると不安だが、ここで妻と2人、これからの生活再建についてゆっくり考えたい」と語った。

「久しぶりに家族だけの空間ができた」と笑顔を見せる西本公重さん(58)は、夫と両親の4人で2DKに入居する。「私たち夫婦が仕事で留守となる日中、両親が心配。避難所は大変だったけど周囲にたくさん人がいたから助かった」と、新生活への期待と不安が交差する。

念願かない、避難所などから"新居"へと移った被災者には安堵感が広がる一方、今後の生活への不安も少なくない。被災者にとって仮設入居はあくまで通過点。生活再建への歩みはここから始まる。

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