eコラム「北斗七星」

  • 2015.07.27
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年7月27日(月)付



少年野球チームの手伝いをして長くなる。大学までボールを追い続ける子もいれば、野球は趣味と割り切って学業に精を出す子もいる。もちろん中には道を見誤ってしまう子も。しかし、少年院を仮退院して見事に立ち直った青年と会った時ほど心底、うれしかったことはない◆立ち直りを支えたのは「両親と恋人が待っていてくれた」ことだという。仕事も覚えた。だから「もう、変なことはできない」のだと◆法務省は2012年以来、刑務所や少年院を出た人が犯罪を繰り返さないようにする対策を進めている。そのポイントは、社会における「居場所」と「出番」をつくること。つまりは、帰る家と仕事を確保することに尽きる。特に少年の就労支援については、法務省自らが少年院を仮退院した少年を半年間、臨時職員として採用。奈良、京都、長野の3県ほか20を超える自治体が一時的採用の態勢を整えた。仕事をしながら、次の就職への準備をしてもらおうということだ◆法務省の調査によれば、3割の再犯者によって6割の犯罪が起こっている。さらに、保護観察中に無職だった人が再び罪を犯す割合は、職に就いていた人の4倍に及ぶ。ここに、就労支援の大切さがある◆立ち直りのための場所と時間を用意することへの、幅広い理解と協力が求められている。(繁)

月別アーカイブ

iこのページの先頭へ