e個人情報流出 不安解消へ万全期せ

  • 2015.06.19
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年6月19日(金)付



衆院予算委集中審議で樋口氏

首相 「年金は確実に支払う」



衆院予算委員会は18日、安倍晋三首相らが出席して、日本年金機構による個人情報流出問題などで集中審議を行い、公明党から樋口尚也氏が質問に立った。


樋口氏は、今回の問題で多くの国民が流出情報の悪用や、年金が正しく受給できるかどうか不安を抱いていると主張。万全の体制で不安解消に努めるよう求めたのに対し、安倍首相はあらためて情報流出を陳謝した上で、今月15日には滞りなく年金が支給されたことを報告し、「二次被害防止を徹底的に行い、今後も確実に年金を支払っていく」と答えた。


また樋口氏は、流出した個人情報ファイルの99%以上でパスワードを設定していなかったなど、機構のずさんな情報管理体制とともに、厚生労働省の報告体制の不備を厳しく指摘した。


このうち、5月8日にウイルスに感染したパソコンが発見されてから同25日までの間、(1)厚労省年金局の係長が対応(2)省内の情報セキュリティー対策担当部署も上司へ報告せず(3)機構本部に常駐している年金局職員も異変を未掌握―だったと強調。


機構で起きたトラブルを厚労省幹部に報告する三つのルートが機能せず、初動の遅れが大量の情報流出につながったとして、「(情報管理を担う)組織はあっても、厚労省には対応能力がなかったに等しい」と断じた。


これに対し塩崎恭久厚労相は、数々の取るべき手続きが取られなかったことを認めた上で、「報告の遅れが顕著だった」と述べ、省内の連絡体制や縦割りの体質を見直す考えを示した。



サイバー対策の強化訴え



さらに樋口氏が、今後も増大することが予想されるサイバー攻撃に備え、内閣サイバーセキュリティセンターの体制強化を要請したのに対し、首相は「今回の流出事案を重く受け止め、政府全体として最適な予算、人員を確保するなど、サイバーセキュリティー対策の強化を遅滞なく図っていく」と応じた。


一方、国の成長戦略について樋口氏は、「若者に光を当てることで日本が成長する」と訴え、公明党が今月4日に申し入れた女性、若者の活躍促進などを柱とする提言を政府に採用するよう求めた。

月別アーカイブ

iこのページの先頭へ