eQ&A 鳥インフルエンザ

  • 2014.12.15
  • 情勢/解説

公明新聞:2014年12月15日(月)付



国内で今季5例を確認

通常、人に感染せず 養鶏業者に被害の恐れも



Q 最近、日本国内で野鳥から高病原性鳥インフルエンザウイルスの検出が相次いでいるが。

A 今年11月から12月にかけて、千葉、鳥取、島根、鹿児島県の4県で、野鳥のフンや死骸などからの検出が5例確認されています。環境省では、ウイルスの発生状況に応じて設定する対応レベルを、警戒度が最も高い3に引き上げ、発生地の半径10キロメートル圏内を「野鳥監視重点区域」に指定するなど、警戒を強めています。


Q そもそも高病原性鳥インフルエンザとは?

A A型インフルエンザウイルスが鳥類に感染して起きる鳥の病気で、今季日本で発生したのはH5N8亜型です。鳥が感染すると高い確率で死に至り、伝染力も強いため、養鶏産業全体に大きな被害を及ぼす恐れがあります。今年4月にも、熊本県で同型の高病原性鳥インフルエンザが発生しており、防疫のため約11万羽の鶏が殺処分されました。


Q 人には感染するか。

A 高病原性鳥インフルエンザは通常、人に感染することはありません。ただ、この病気にかかった鳥の内臓やフンに直接接触するなどして、人の体内に大量のウイルスが入り込んだ場合、ごくまれに感染することが知られています。


Q エジプトで人への感染例が報告されているが。

A エジプトでは今年、鳥インフルエンザ(H5N1型)の人への感染が11例確認されていますが、同国の農村では家屋内で鶏を飼育するケースが多く、感染が相次ぐ要因になっているとみられています。日本では、感染した鳥などが徹底的に処分されており、人への感染の可能性は極めて低いと言えます。


Q 鶏肉や鶏卵を食べて感染することはあるか。

A 高病原性鳥インフルエンザが、鶏肉や鶏卵を食べることによって人に感染したという事例はありません。


また、日本では感染した鶏肉や鶏卵が市場に出回ることはなく、ウイルスは加熱処理や胃酸によって死滅するとされており、感染の心配はありません。

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