eODA大綱見直し 「非軍事」貫き平和構築に貢献を

  • 2014.11.04
  • 情勢/解説

公明新聞:2014年11月3日(月)付



開発途上国を支援する政府開発援助(ODA)の基本理念を定めたODA大綱が11年ぶりに大きく変わる。

3月から「新たな進化」をテーマにODA大綱の見直し作業を続けてきた政府は、改定案として開発協力大綱をまとめ、国民からの意見公募を27日まで実施している。

日本のODAは、途上国の自立に向けた「自助努力支援」と、そこに住む一人一人が恐怖と欠乏から免れ、尊厳をもって生きることができるようにする「人間の安全保障に基づく支援」を重視してきたことで世界から高い評価を得ている。この土台の上に、より実効性ある協力体制を構築してほしい。

「新たな進化」で特に注目を集めているのが、安全保障分野での役割拡大である。

開発協力大綱は、非軍事分野に限定した上で、外国の軍隊への支援に関し、難民支援などの民生目的や災害救助に軍隊が関係している場合であれば、協力の是非を「その実質的意義に着目し、個別具体的に検討する」とした。

ODA大綱の下では外国軍隊への支援は、たとえ非軍事分野であっても一律に禁止されている。開発協力大綱はその意味で「新たな進化」となる。しかし、同時に「開発協力の軍事的用途および国際紛争助長への使用を回避するとの原則は遵守」すると明記され、ODAの基本理念は変更されていない。

この「新たな進化」の背景には、人道支援や復興支援などの分野で軍隊がさまざまな機能を果たすようになった事実がある。ODA大綱見直しの有識者会議の議論でも、「戦争以外の軍による活動の例は非常に増えている」「軍による非軍事活動が開発課題の解決に貢献する例も数多い」との意見が出た。

武力紛争後の国家再建に悩む途上国は多く、国連も紛争後の平和構築活動に力を入れている。自衛隊がイラクの平和構築に貢献したように、この分野では現地で誰にも頼らず自己完結的に行動できる軍隊の存在は重要である。

平和構築活動は、「自助努力支援」「人間の安全保障に基づく支援」に最も適合した支援分野といえる。非軍事分野の中で外国軍隊への支援を探る意義はある。

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