e農家の「収入保険」導入へ

  • 2014.11.04
  • 情勢/経済

公明新聞:2014年11月3日(月)付



党農林水産部会長 石田祝稔衆院議員に聞く
17年に立法化
"豊作貧乏"の不安解消



政府は現在、農家の経営所得安定対策の見直しなど農政改革の一環として、農作物の下落時に農家の収入を補う「収入保険」制度の導入に向けた調査を進めている。公明党のかねてからの提案を具体化するもので、制度のポイントなどを石田祝稔農林水産部会長(衆院議員)に聞いた。

  ―収入保険制度とは。

石田 コメや野菜など全ての農作物を対象に、市場価格の下落で農家の収入が減少した場合に減収分を補てんするセーフティーネット(安全網)のことです。今年度から具体的な制度づくりへ着手しています。農家の拠出を前提に、農家収入の変動や営農計画のデータを分析した上で、保険料水準の設定などが検討される予定です。

―現行では農業共済制度がありますが。

石田 農業共済は、自然災害で収穫量が平年に比べて減った場合に共済金が支払われ、農家の経営安定に貢献していることは事実です。しかし、市場価格が下落した場合には適用されず、対象品目も限定されています。"豊作貧乏"の不安がないとは言えません。

その点、収入保険は、農家の経営全体に着目した新たな制度で、生産品目に関係なく、農家の収入を支えるための保険金を支払う仕組みです。

―公明党の取り組みは。

石田 農家の安定的な所得確保が重要との立場から、公明党は農業政策の柱の一つに掲げ、農作物の価格下落による収入変動に対応した保険制度の導入を掲げてきました。

今年1月の衆院代表質問では、公明党の井上義久幹事長が制度の必要性をあらためて訴えたほか、その後も国会質疑を通して再三にわたって求めています。

―収入保険導入への今後の流れについては。

石田 制度導入に向けた調査・検討を進めるため、2015年度予算の概算要求では14年度当初予算(約3億円)の約2倍となる6億円弱が盛り込まれています。調査・検討を経て、17年の通常国会に関連法案を提出します。法律成立後、準備や周知徹底を経て、新たな制度として開始する予定です。

―米価下落など、多くの農家は先行きに不安を感じています。

石田 米国では1996年から収入保険が実施されており、加入者も年々増えています。フランスやスペイン、ギリシャも類似した制度を取り入れています。収入保険に対する農家の期待は日増しに高まっており、公明党は、日本の農業を守るとの姿勢で、制度の具体化に全力を尽くします。

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