eノーベル物理学賞 科学技術立国への歩み さらに

  • 2014.10.10
  • 情勢/テクノロジー

公明新聞:2014年10月10日(金)付



列島の隅々まで照らす朗報が、北欧のストックホルムから飛び込んできてから4日、興奮は覚めやりそうにない。3氏の栄誉にあらためて敬意を表するとともに、「科学技術立国・日本」建設への歩みがいや増し加速することを期待したい。

2014年のノーベル物理学賞に3人の日本人研究者が選ばれた。わずかな電力で明るい照明などを提供できる青色の発光ダイオード(LED)を開発、実用化した赤崎勇名城大学教授、天野浩名古屋大学教授、中村修二米カリフォルニア大学教授の3氏だ。

青色LEDは既に、携帯電話やパソコンのディスプレー、ブルーレイディスク、信号機、照明器具など、私たちの身のまわりで幅広く使われている。受賞者を選考するスウェーデン王立科学アカデミーが「発明はまさに革新的」として、「世界を照らす新たな光をもたらした」と高く評価したゆえんである。

「世界数百万人の生活の質を向上させた」(米ニューヨーク・タイムズ)、「LEDは節電効果が非常に高く、投資は数年で元が取れる」(仏リベラシオン)など、海外主要メディアも受賞を手放しでたたえてやまない。同じ日本人として、誇らしい限りだ。

今回の快挙で、日本人のノーベル賞受賞は22人となった。うち物理学賞が半数近くの10人を占める。この分野での日本の実力の高さをあらためて世界に示した格好だ。科学者、技術者を夢見る子どもたちの励みともなろう。

ただ、いささか気になるのは、日本の企業内での研究に見切りを付け、米国の大学に渡った中村氏の経歴が示す通り、科学技術をめぐる日本の研究現場の"後進"ぶりだ。「技術者は企業の奴隷じゃない」「超難関のウルトラクイズみたいな大学受験システムが、つまらない人間をつくる元凶」などの"中村語録"が耳に痛い。

政策面の強化も欠かせない。早い話、日本の科学博物館や自然博物館の数は欧米に比べて圧倒的に少ないのが現状だ。学校教育における、いわゆる「科学離れ」「理科離れ」も依然、解決されていない。

3氏同時受賞という今回の快挙を、日本の科学技術環境の飛躍的な整備に繋げたい。

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