e巨大津波から命守る

  • 2013.08.23
  • 情勢/社会
[画像]メインイメージ

公明新聞:2013年8月23日(金)付

 

電子地図で情報共有
南海トラフ地震対策 4段階に分け応急活動
国交省が中間まとめ



マグニチュード9クラスの南海トラフ巨大地震に備え、国土交通省は22日、「南海トラフ巨大地震対策計画」の中間とりまとめを発表した。計画は、最悪の場合で32万人以上が死亡し、220兆円の経済被害が出るとした内閣府の被害想定に基づく内容。同日の「南海トラフ巨大地震・首都直下地震対策本部」(本部長=太田昭宏国交相、公明党)と「対策計画策定ワーキンググループ」の合同会議で決定した。

中間とりまとめでは、南海トラフ巨大地震が発生した際に想定される深刻な事態を整理した上で、地震発生から時間の経過に応じて「命を守る」「救急救命」「被災地への支援」「施設復旧」の4段階に分けて国交省が実施すべき応急活動を明記。7つの重要テーマと10の重点対策箇所を盛り込んだ【表参照】。

このうち、地震発生から3時間以内を目安とする「命を守る」段階では、(1)短時間で押し寄せる巨大な津波からの避難を全力で支える(2)鉄道や航空機の乗客数十万人の安全を確保する(3)被災地の情報を迅速・正確に収集・共有し、応急活動や避難につなげる―を重要テーマに位置付けた。被災情報の収集・共有については、人工衛星やヘリコプター、携帯電話の位置情報などあらゆる技術・手段を駆使して情報を電子地図に集約する「電子防災情報システム」を構築するとしている。

また、地震発生から72時間までの「救急救命」段階では、道路約4万カ所以上をはじめ、鉄道、港湾、空港での津波浸水を念頭に、障害物を除去して自衛隊や消防の進路を切り開く「啓開」などを重要テーマに明記。紀伊半島、四国、九州などの津波浸水想定地域の主要道路を対象に今年度中に「広域道路啓開計画」を策定することなどを記した。

会議の席上、太田国交相は、中間取りまとめについて「当該地域や中央防災会議の議論を踏まえ、段階的に内容の充実を図っていきたい」と主張。首都直下地震対策計画の策定にも着手することに触れながら「いつ起こるか分からない二つの地震に対し、実践的に現場感覚を持ち、具体的に対策を進めることが大事だ」と強調した。

月別アーカイブ

iこのページの先頭へ