eコラム「北斗七星」

  • 2018.06.12
  • 情勢/社会
2018年6月12日


今月初め、新聞の見出しを見て目を疑った。昨年、スーパーなどで売れ残ったウナギの「かば焼き」が確認できただけでも2.7トン廃棄されていたというのだ。ニホンウナギなど、絶滅の危機がこれほど報じられても「丑の日」には大量に捨てられていた◆賞味・販売期限の見直しや、食品を引き取り、福祉施設や生活困窮者に提供するフードバンクが各地に設けられるなど、食品ロス削減への取り組みは着実に広がっている。それでも4月に発表された2015年度の国内の食品ロス総量は646万トンで、前年度より25万トン増加している◆多くのコンビニエンスストアでは、依然として売れ残った食品が大量に廃棄されている。店側の意識として、品切れを起こさないことが、売れ残りを減らすことより優先するのだ◆そうした商習慣を問題視するのは簡単だが、食品ロスの原因が、われわれ消費者の意識や行動にもあることに留意しなければならない。食品を食べきれずに捨てたり、店で棚の奥に手を伸ばして新しい商品を選んで買うなど、思い当たることは少なくない◆公明党が立法化を進める「食品ロス削減推進法」では自治体、消費者、事業者が一体となり国民運動として削減に取り組むとしている。食品をムダにしないとの意識を確実に深める取り組みが欠かせない。(千)

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