eストーカー行為が残す深い傷

  • 2018.05.16
  • 情勢/解説

2018年5月16日



先日、自治体の婚活支援事業を取材する中で、婚活をする一人の女性(22)から衝撃的な話を聞いた。「最近ようやく恋愛に向き合えるようになった」と話す女性は、高校時代から昨年末までの約6年間、元交際相手の男性からストーカー被害を受けていた。

 毎日100件以上届くメール、自宅や通学路での待ち伏せ、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)での嫌がらせなど男性のストーカー行為は執拗に続いた。昨年末、警察は男性に対し、女性への接触などを禁ずる「禁止命令」を発令。ようやく男性からの接触がなくなったという。

 「気軽に外出できなかった。携帯を見るのも怖かった」。そう語る女性の表情から、ストーカー行為が与えた"見えない傷"は決して浅くないと実感した。

 公明党はストーカー被害者支援団体らの声を聞きながら、現場発の政策づくりを推進。昨年6月には、SNS上での接触を新たに規制対象とすることなどを加えた「改正ストーカー規制法」が公明の案を基に作られ、施行された。

 取材後、心底思った。この法律がなければ、あの女性は今もまだ不安な生活を送っていたのかと。何の罪もない人がストーカーに怯え、不安で外も歩けない。公明党が現場の声を聞いて作った法律は、そんな状況を打破したのだ。

 女性は別れ際、「同じ目に遭う人がいなくなってほしい」と、つぶやいた。安全・安心の社会は、こうした小さな声を大切にした先にしかないと確信した。(悠)

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