eコラム「北斗七星」

  • 2018.05.16
  • 情勢/社会

2018年5月16日



忘れられない街頭演説がある。心に残っているのは弁士の話ではなく、一人の青年スタッフの行動だ◆演説は新潟市の繁華街で行われた。街宣車のすぐ近くに犬のフンが落ちていた。北斗子は議員に「フンがあります。気をつけてください」と注意した。青年はどうしたか。ビニール袋をうまく使ってフンを包み、片付けた。人柄は行動に表れる◆支局のトイレと台所が4月以降、きれいになった。本社から赴任した新人が、始業前に掃除している。ぴかぴかの便器や洗面器を見るたび、すがすがしい◆これまで北斗子は、便器の汚れを取るだけ。それ以上するのは面倒だった。彼に「掃除は面倒じゃない? 早起きはつらいでしょ?」と尋ねた。彼は答えた。「あるべき状態にすると気持ちが良いです」◆あるべき姿をめざし面倒をいとわない。良い仕事をするための条件だろう。トイレも記事も、手間を掛けた分、磨かれる。日々の積み重ねが大きな差を生む◆先の日曜日、本紙配達中のこと。カラスの仕業だろうか、バス通りにごみが散乱していた。穴の開いた袋、そこから出たティッシュや食べ残しが散らばっていた。配達を終えて家からごみ袋を持って行き、片付けた。ためらいもあったが、新人の言うとおり、気持ちが良い。新潟の青年と新人に感化された。(直

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