e登下校の安全 犯罪から守る手だて幾重にも

  • 2018.05.15
  • 情勢/解説

2018年5月15日



新潟市内の女子児童が殺害され、線路に遺棄されるという痛ましい事件が起きた。7歳の命を奪った卑劣な凶行は断じて許されない。

昨夜、23歳の男が逮捕された。児童は下校途中に一人きりになったところを連れ去られた可能性が指摘されている。悲劇を繰り返さないために、子どもの安全を守る手だてを改めて確認し、対策の強化につなげたい。

 通学路への防犯カメラの設置や警察によるパトロールの重点化、集団登下校や地域住民による見守りといった取り組みは各地で行われている。

 警察庁によると、2016年に13歳未満の子どもが被害者になった刑法犯の件数は1万7252件だった。07年の3万4458件と比べて半減したのは、各地の取り組みが一定の効果を発揮している証しといえよう。

ここで見逃してならないのは、子どもが被害者となった刑法犯のうち、殺人や強制わいせつ、連れ去り(略取誘拐)などの件数がほぼ横ばいで推移していることだ。

 子どもを犯罪者からどう守るか。子ども自身の備えとして欠かせないのが防犯ブザーの携帯である。

 公益財団法人・全国防犯協会連合会では、▽登下校時、一人で歩くときは防犯ブザーを手に持ち、いつでも使える状態にしておく▽ランドセルに装着する際は、手が届くよう肩ベルトのフックに取り付ける▽不審者に遭遇した時は、ブザーを鳴らし、人がいる安全な方向に走る――などを呼び掛けている。

 電池切れや故障などで、音が鳴らなかったり小さくなっていることもある。定期的に鳴らしてほしい。

 地域住民による見守りやパトロールを行う場合は、住宅のブロック塀や空き家など、周囲から見えにくく犯人が身を潜めやすい場所についての情報を共有しておくことが重要だ。小学生が被害者となる犯罪は、午後2時から午後6時の間に多発している点も重ねて注意喚起すべきである。

 警察庁は18年度中に、市街地や郊外で子どもや女性にとって犯罪リスクが高い場所を割り出して分析し、防犯対策に生かす調査を実施する方針だ。子どもを守るための対策を幾重にも考えたい。

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