eコラム「北斗七星」

  • 2018.05.07
  • 情勢/社会

公明新聞:2018年5月3日(木)付



「この国会が、具体的な政策をつくり上げる政策の国会となるよう願っております。そのために、議論を深める熟議の国会となるよう努めたい」。数年前の国会召集日、当時の首相は所信表明演説で訴えた◆全く同感だ。論戦を通じて国の将来像や政策を競い合う。異なる意見を調整し、幅広い合意を形成する。これが「言論の府」の姿だろう。東アジアの冷戦構造に地殻変動が起きるかもしれない今は、特に存在意義が問われる。欠席戦術を続ける立憲民主、希望、共産など野党6党は、その責任を放棄していないか◆審議に応じる条件として、財務省の文書改ざん問題に関する調査結果の早期公表などを挙げている。それならば、国会でただすべきだ。6党は合同ヒアリングで官僚を追及しているが、出席者の発言を正確に残せるか分からない非公式な場では真相究明はおぼつかない◆おっと、失念。冒頭の演説は現在、立憲民主党の最高顧問を務める菅直人氏が、第176回国会で行った。同党や希望の党には、この演説に拍手を送った当時の民主党議員が少なくない◆綸言汗の如し。為政者の口から出た言葉は取り消せない。それほど政治家の発言は重い。下野して立場が変われば、主義主張も変わる、では困る。国民も菅氏と同じく、熟議の国会を待ち望んでいる。(明)

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