eキッズウイーク 休み方改革へ自治体の動きに注目

  • 2018.05.02
  • 情勢/解説

公明新聞:2018年5月2日(水)付



ゴールデンウイーク(GW)のような大型連休を地域ごとに新たに設け、家族が一緒に過ごせる時間を増やそうとする取り組みが各地で動き始めており、注目したい。

これは「キッズウイーク」と呼ばれるもので、政府が進める大人と子どもの休み方改革の一環。公明党が昨年5月、政府の経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)策定に向けた政策提言の中で主張し反映されたものである。

柱は学校の長期休暇を分散化することだ。例えば、夏休みのうち5日間を別の時期に移動し、前後に土日を絡めて9連休とすることなどが想定されている。

休日をどう分散化するかは自治体の判断に委ねる。

公立学校の休業日は教育委員会の判断で決めることができるが、政府は昨年9月、学校教育法の施行令を改正し、「家庭や地域での体験的な学習活動」のためにも休みを設けられることを明示した。自治体がより柔軟に取り組めるようにした点がポイントだ。

キッズウイークには、さまざまな効果が見込まれる。地域の行事に合わせて休日を設ければ、子どもが家族と共に参加しやすくなる。連休が地域によって分散されれば、GWやお盆期間のような混雑を避けられる。観光業界にとっても年間を通じて安定した需要が期待できる。

文部科学省の調査によれば、47都道府県のうち、キッズウイークを既に導入しているのは7団体、導入を検討中が21団体に上る。市町村でも導入が相次いでいる。

5連休の秋休みを設定した東京都渋谷区や、開港記念日を休みにして公共施設を子どもに無料開放している横浜市などの先行事例を参考にしたい。

忘れてならないのは、保護者の有給休暇の取得を促すことである。

企業をはじめ社会全体で有休を取りやすい雰囲気づくりが重要だろう。人手不足が深刻な中小・小規模事業者には、職場の生産性を高める支援策も欠かせない。学校の休日に保護者が休めない場合に備え、子どもの居場所づくりも考えなければならない。

自治体ごとに丁寧に検討を重ね、休み方改革を前に進めてほしい。

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