e乳幼児の突然死 保育の「預け始め」に注意したい

  • 2018.04.11
  • 情勢/解説

公明新聞:2018年4月11日(水)付



保育施設では、新しい園児を迎える時期である。小さな子どもにとって環境の変化によるストレスは大きく、体調に重大な影響を及ぼすことさえある。十分に注意したい。

保育施設における乳幼児の突然死は、「預け始め」から1カ月以内に多発しているという調査結果がある。東京都保健医療公社多摩北部医療センターの小保内俊雅小児科部長らの研究グループによるものだ。

2016年までの10年間に発生した、保育施設における乳幼児の突然死のうち、事故などを除く43件を分析した結果、30%が預け始めから1週間以内に、半数が1カ月以内に発生していたという。

要因の一つとみられているのが、生活環境の変化だ。小保内氏は「特に注意すべきは睡眠中で、1~2歳児であっても油断できない」と警告する。

保育施設での突然死をどう防ぐか。中でも預け始めの時期の対応が肝心である。

この点、「慣らし保育」を重視する保育施設が増えていることに注目したい。慣らし保育とは、入園から一定期間は預かる時間を短くすることで、子どもを新しい環境に慣れさせ、ストレスを軽減するものだ。

例えば、神奈川県藤沢市は、事前に保護者の了承を得た全乳幼児に慣らし保育を実施している。また、奈良県王寺町の認可園「片岡の里保育園」では、最初の2週間は乳幼児に担当の保育士を配置し、マンツーマンで慣らし保育に当たっている。東京都中央区では、慣らし保育への理解を促すため認可保育施設を新たに利用する全保護者にチラシを郵送した。

ただ、仕事の都合などで慣らし保育に対応できない保護者が多いのも実情だ。このため自治体の中には、情報通信技術(ICT)を活用している所がある。

埼玉県川口市では、睡眠中の寝返りや呼吸の異常を察知する乳児用呼吸モニターなどを保育施設が購入する費用を助成している。東京都の「保育所等における児童の安全対策強化事業」の中にも同様の助成制度がある。

預け始めのリスクを認識し、幼い命を守る環境づくりに知恵を絞りたい。

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