eコラム「北斗七星」

  • 2018.03.05
  • 情勢/社会

公明新聞:2018年3月3日(土)付



「桃の夭夭たる、灼灼たる其の華」。中国・周代の歌謡集『詩経』に収められた一文だ。嫁ぐ娘を桃になぞらえ、若々しく、燃え立つようだと歌っている。きょう3月3日は「桃の節句」である◆家庭では女の子の健やかな成長と幸福を願い、ひな人形を飾り、ひなあられやひし餅を食す。現在のような座ったひな人形が登場したのは室町時代。飲食も用意して一日中遊んだ。その風習の名残だろうが、東西、ことに関東と関西では違いがある◆内裏びな。京都などでは男びなを向かって右、関東では左に置く。日本は左(向かって右)の位が高いので、京都ではこれを踏襲。関東では右(向かって左)が上位とされる西洋に倣っていると、おかべたかし著『くらべる東西』(東京書籍)にある◆片や、ひなあられ。砂糖を使った甘いお菓子と思っていたら、こちらは関東型。関西は醤油や青のりで味付けする。とはいえ、違いも消えつつあるようだ。関西に嫁いだ娘と、孫の写真を見たら、男びなは向かって左に。ネットで購入したと聞き、得心した◆ちなみに、桃は渡来植物だが、3000年に一度咲き実る桃があるという中国の伝説が先に伝来した。実際、『古事記』には伊邪那岐命を霊力で守る桃の実、意富加牟豆美が登場する。女の子の節句を桃とした訳は。公明党は女性の応援団であり続ける決意だ。(田)

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