e温暖化被害最小限に

  • 2018.02.27
  • 情勢/気象
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公明新聞:2018年2月27日(火)付



国・自治体の役割規定
公明、法制化を主張 豪雨や不作、感染症に対処
今国会に気候変動適応法案



地球温暖化の悪影響を回避し、被害を最小限にとどめる――。

政府は20日、温室効果ガスの発生を最大限抑制しても防ぎきれない温暖化の影響を軽減させるため、気候変動適応法案を閣議決定した。災害や感染症の増加、農作物の不作といった悪影響を避けるため、国や自治体、国民が果たすべき役割を規定し、温暖化の影響に対処するのが柱。政府は今国会での成立をめざす。

法案は、農業や防災など各分野の適応策を進める「気候変動適応計画」を国が策定するよう規定。約5年ごとに気候変動の影響を公表し、同計画を改定する。自治体にも、適応計画を策定するよう努力義務を課す。

環境省などが16日に発表したレポートによると日本の年平均気温は100年当たり1.19度上昇。21世紀末の平均気温は、20世紀末より最大5.4度上昇すると予測されている。国内では既にコメの白濁やミカンの皮が果肉から浮くなど農産物への悪影響が発生。豪雨による浸水被害も相次ぐほか、熱中症で救急車に搬送されるケースも多い。

一方で、温暖化の影響は各地で異なり、自治体ごとの適応策推進がカギを握る。

先行して対策を進める自治体もある。埼玉県は全国に先駆け適応計画を策定。高温耐性米「彩のきずな」を開発したほか、熱中症を防止する避暑地「クールオアシス」を整備。徳島県は適応策を盛り込んだ気候変動対策推進条例を昨年施行し、水温上昇に対応できるワカメの研究などに取り組んでいる。

ただ、両県の事例は「まれなケース」(環境省)。これまで法的根拠が曖昧であったため、全国の自治体では、十分な予算の確保などが進まなかった。そこで法案では、気候変動適応への法的位置付けを明確化し、自治体による適応計画策定を後押しする。

公明党環境部会(部会長=江田康幸衆院議員)は昨年7月、山本公一環境相(当時)に対し、地球温暖化適応策について「位置付けを明確にするために、必要な法的措置を講じるべき」と要望。国や自治体が積極的に適応策に取り組むよう訴えてきた。

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