e"あの日"の記憶を未来へ

  • 2018.02.13
  • 生活/生活情報
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公明新聞:2018年2月11日(日)付



東日本大震災から6年11カ月



きょう11日は、東日本大震災の発生から6年11カ月です。被災地では、人々が"あの日"の記憶を胸に刻み、未来へ向かって一歩、また一歩と進み続けています。岩手、宮城、福島の3県で、郷土の再興を願い、奮闘を続けている学生やボランティアグループにスポットを当てました。(東日本大震災取材班)


住民と学生が交流続ける


「みまもり隊」 宮城・東松島市


冬の青空に子どもたちの弾む声が溶け込んでいきました――。宮城県東松島市のJR陸前小野駅前の交流拠点「空の駅」で3日、地元住民らが開いたイベントの一幕です。的を目掛けて何度も紙飛行機を飛ばす子どもたち。その傍らでは大学生のお兄さん、お姉さんが優しいまなざしで見守っていました。

昨年9月まで、そこには陸前小野駅前仮設住宅がありました。災害公営住宅や高台に再建した自宅への転居が進み、住民は離れ離れに。こうした中、人々を再び結び付け、新たなコミュニティーを築こうと奮闘しているのが学生による地域支援活動団体「みまもり隊」です。

「みまもり隊」は2011年6月に同県内の大学に通う学生で結成。以来、がれきの片付けや被災農地の再生、地元農家と連携しての「地野菜プロジェクト」、さらに、保育所などでの絵本の読み聞かせ――と住民の要望に応える活動を続けてきました。

中心者の菅京子さん(東北大学4年)は「就職で茨城県に戻りますが、東松島のことを多くの人に話していきます」と決意。「新しい街が笑顔であふれるまで活動を続けられれば......」と、次の世代へ思いをつないでいます。


踊り継ぐ郷土の伝統


小高中学1年 福島・南相馬市


陣羽織姿で扇を手に、民謡に合わせて舞う子どもたち。福島県南相馬市立小高中学校の1年生です。4日、市内で行われた「民俗芸能発表会」で彼らが披露した「相馬流れ山踊り」に、来場者は大きな拍手を送りました。

震災前から同校では、1年生が毎年、この郷土の踊りを文化祭で披露する伝統があります。震災があった2011年も仮設校舎で披露。避難生活に負けない生徒たちの姿が、観る人の心を打ちました。

16年7月には、小高区の避難指示が解除され、小高中では元の校舎で授業が再開。それを機に、郷土の絆を取り戻そうと、同校の生徒に民俗芸能発表会の参加を提案したのが、保存会会長の柳原とも子さんです。「地域の大人にとって、子どもたちが踊ってくれることほど、うれしいことはない」と語っています。

橋本浩幸教諭は「震災前より生徒数は半分になったが、子どもたちが頑張っていることを多くの人に知ってほしい」と力を込めます。「地域の人や祖母が受け継いできた大切な踊りを、私たちが守り、伝えていきたい」――。山形で避難生活を送っていた發田紗織さん(同校1年)は、そう決意していました。


津波の教訓、競走で啓発


あらまぎハート 岩手・釜石市


スタート合図の銅鑼が打ち鳴らされる中、手をつないだ親子たちが坂道を駆け上がっていきます。岩手県釜石市で4日開かれた津波避難の啓発イベント「韋駄天競走」には、市内外から123人が集い、力走を見せました。

この競走は2014年に始まり、今年で5回目。津波の恐れがある際には、すぐ高台へと逃げる意識を定着させるのが狙いです。「親子」「女性」など6部門に分かれ、東日本大震災で浸水した市街地から、避難場所に指定された高台の寺院をめざし、距離286メートル、高低差26メートルのコースを一気に走り抜けます。走者には、沿道から「頑張れ!」との声援が送られていました。

企画・運営したのは同市出身者でつくる団体「釜石応援団あらまぎハート」。故郷の復興を後押ししようと、11年11月に発足しました。韋駄天競走は「震災の教訓を1000年先の未来へと伝えたい」との思いから始めたものです。

あらまぎハート釜石支部長の下村達志さんは、震災後に東京から市内にUターン移住した一人です。「震災当時1、2歳だった子どもに、教訓を受け継いでもらいたいと参加してくれた親御さんもいます。防災意識が高まり、継承されていくことが私たちの願いです」とほほ笑みました。

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