e公共図書館 小中学校に定期配送

  • 2018.02.08
  • 情勢/テクノロジー
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公明新聞:2018年2月8日(木)付



愛知・安城市



愛知県安城市は昨年6月の市図書情報館オープンを機に、読書のためのサービスを大きく充実させている。小中学校で公共図書館の本を予約できるようにし、予約本や朝の読書用の本を学校へ届ける定期配送も開始。学校司書を増やしてきた効果もあり、図書館から学校への本の貸し出し数が飛躍的に伸びた。また市図書情報館は、全国でも珍しい24時間対応の予約本受け取り機を設置するなど、利用者が喜ぶサービスを実施。7カ月余りで利用者が80万人を超えた。


学校司書も増員


サービス拡充の結果、貸し出し数が2倍超に


学校司書は本の貸し出しや整理、授業に役立つ資料の準備などを行い、児童・生徒が本に出会うきっかけづくりや、授業の質の向上に欠かせない存在である。安城市は2013年度、全小中学校29校を担当する8人の学校司書を配置した。その後、段階的に増員し、17年度から24人体制に。全校で1日4時間、週5日ずつ任に当たっている。

さらに市は昨年5月、公共図書館の本を学校に貸し出す定期配送サービスを開始した。これは「朝の読書」用の本に加え、各校のリクエストに基づく調べ学習用の本や子ども・教師が予約した本を週2回ずつ届けるもの。学校図書館と公共図書館のシステムを一元化し、学校司書などを通じて借りたい本を予約できるようにした。また、市図書情報館で市内の中学生以下の子どもを対象に読書通帳の無料配布も実施。館内に読書通帳機を設置してあり、借りた本の貸し出し日、タイトルが記帳できる。

これらの取り組みの結果、昨年4~12月の小中学校への貸し出しが11万冊を超え、16年の同じ時期と比べて約2.4倍に急増した。市図書情報館の岡田知之館長は「読書は子どもの心を豊かにする効果がある。学校図書館の充実に向け、学校司書との連携をいっそう進める」と語っていた。


市情報館の充実


予約本が24時間受け取り可能 館内での軽食・飲み物OK


一方、市図書情報館は市民が喜ぶサービスを展開。24時間対応の予約本受け取り機を入り口に設置し、休館日や夜間・早朝などに利用したい人のニーズに対応した。

また、館内には市商工課が運営するビジネス支援センターも設置。専門スタッフが常駐し、経営や販売促進に関する相談に応じる。3Dプリンターなどを備えた編集・録音スタジオも併設したほか、館内での飲食(軽食やふた付きの飲み物)も「良識の範囲内で可能」とした。この結果、同情報館の来館者数はオープン以降の7カ月余りで80万人を突破した。

公明党市議団の今原康徳、法福洋子、宗文代の各議員は、子どもの読書環境の向上を一貫して推進。特に、法福議員は12年6月定例会で学校司書の配置を提案し、その後も増員を求めていた。また、読書通帳の導入についても、同議員が14年6月定例会で要望していた。

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