e困窮者自立へ体制強化

  • 2018.01.30
  • 情勢/経済
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公明新聞:2018年1月30日(火)付



就労・家計を一体支援
国の補助率引き上げなど自治体の実施促す
公明が推進、18年度から



生活保護に至る前の経済的困窮者を支援する「生活困窮者自立支援制度」について、厚生労働省は2018年度から、困窮者が就労に必要な基礎能力を身に付ける「就労準備」や、自力で家計管理できるようにする「家計相談」の両事業を拡充する。いずれも現在、地方自治体が任意で行っているが、困窮者の相談に応じて支援計画を作る「自立相談」と一体的に実施した場合の財政支援などを強化し、実施を促す。

公明党の主張を受けた取り組みで、政府は今国会に提出予定の生活困窮者自立支援法改正案に、必要な改正事項を盛り込む。既に18年度予算案には、必要経費が計上されている。

同制度では、福祉事務所を置く902自治体に対し、自立相談を必ず行うよう規定。一方、就労準備、家計相談の両事業は、地域の実情に応じて行う「任意事業」との位置付けだ。これらの事業は、組み合わせることで自立への高い効果が期待できるが、人材や委託事業者の不足などもあり、自治体の実施率は、それぞれ4割程度にとどまる。

そこで、厚労省は自治体に対し、3事業を一体的・連続的に行うよう促していく。具体的には、就労準備、家計相談の両任意事業の関係者が、自立相談の支援計画作成の段階から関わった場合などに、家計相談の事業費に対する国の補助率を「2分の1」から、就労準備と同じ「3分の2」に引き上げることとした。

このほか、両任意事業について、複数市町村による広域的な実施などを推進。就労準備のガイドラインで示されている「利用定員15人以上」との要件も緩和するなどして、自治体が事業を行いやすくする方針だ。

公明党は、昨年11月に政府へ申し入れた「人づくり」に関する提言などで、困窮者の就労・家計に関する一体的な支援を提案。今月26日には山口那津男代表が参院本会議で、一体的支援の実施へ「体制の見直し・強化を」と訴えていた。


生活困窮者自立支援制度


公明党の推進で2015年度に施行された。困窮者の相談に応じて、就労や家計、住まい、子どもの学習などに関するさまざまな支援を実施。施行後2年間で約45万人の新規相談を受け、約6万人が就労・増収を果たした。同制度は、施行から3年後に見直しを行うこととしているため、政府は今国会に生活困窮者自立支援法改正案の提出を準備している。

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