e高まる賃上げの機運

  • 2017.12.20
  • 情勢/経済
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公明新聞:2017年12月20日(水)付



「3%」で産業界に動き
政府、最大20%の減税で後押し
戦後2位の景気回復、成果を家計に還元へ



本格的な景気回復の実現に向け、賃上げの機運が高まっている。

19日には、国内の証券大手が2018年度から、全ての社員を対象に月収ベースで3%を上回る賃上げを実施する方針を固めたと報じられた。子育て世代には最大5%程度の賃上げを行う方向で検討しているという。

3%の賃上げは、デフレ脱却をめざし、政府が来年の春闘で経済界に求めている水準だ。これを受け、日本経済団体連合会(経団連)も3%の賃上げを加盟企業に呼び掛ける方針だ。

与党が14日に決定した18年度の税制改正大綱でも、従業員1人当たりの給与の増加が前年度比3%以上の大企業と1.5%以上の中小企業を対象に、法人税を最大20%軽減する内容が盛り込まれている。

自公連立政権が復活した12年12月から続く現在の景気回復局面は、9月で高度経済成長期の「いざなぎ景気」を超え、戦後2番目の長さになった。この間、多くの企業が過去最高益を更新し、有効求人倍率も史上初めて全都道府県で1倍を超えるなど、景気は確実に上向いている。

17年春闘では、多くの企業が4年連続となるベースアップを行ったが、一方で、個人消費はいまひとつ力強さに欠け、地方や家計に成長の実感が届いていないとも指摘される。

このため、企業が内部留保をため込む傾向に歯止めをかけ、収益を設備や人材投資に振り向け、持続的な賃上げが可能となる環境づくりが求められてきた。

先行して賃上げに取り組む企業が出てきたことで、今後、この流れがどこまで産業界に広がるか、関心と期待が高まっている。

公明党は、来年度税制改正の議論において、一貫して賃上げを促す施策を推進。また、11月30日の参院予算委員会で公明党の西田実仁参院幹事長は、企業の賃上げを促すため、収益に占める人件費の割合を公表することなどを提案。安倍晋三首相は「あらゆる施策を総動員し、賃上げの勢いをさらに力強いものにしたい」と答えていた。

景気回復の成果を地方や中小企業・小規模事業者、国民生活へと届ける流れが確実に生まれつつある。

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