e「小島養生所」保存、展示へ

  • 2017.12.18
  • 情勢/解説

公明新聞:2017年12月18日(月)付



日本初の西洋式近代病院
歴史的文化財の活用を検討
長崎市



日本の近代医学発祥の地である長崎市で、日本初の西洋式近代病院「小島養生所」の遺構の保存や活用に向けた取り組みが進んでいる。同養生所の遺構は2015年に発掘され、歴史的価値を評価した市は今年6月、その一部を市史跡に指定した。保存と活用を後押しする公明党の秋野公造参院議員と党市議団の向山宗子団長、久八寸志、山本信幸、永尾春文、林広文、福澤照充の各議員はこのほど、現地を視察し、地元住民から要望を受けた。


秋野氏と党市議団が尽力


小島養生所は1861年、オランダ人医師ポンペが設置。日本最古の大学教育機関でもある。後年、長崎医科大学(現在の長崎大学医学部)に発展したほか、養生所出身者らは、全国の医学校の創設に奔走するなど、近代日本の医学や薬学、自然科学教育の普及に貢献した。

遺構が発掘された場所は、市立仁田、佐古両小学校が統合し、今年度開校した市立仁田佐古小学校の新校舎建設予定地(旧佐古小学校)。地中に埋蔵された文化財の存否確認のために行われた発掘調査で、石垣や建物の基礎に利用された玉砂利のほか、江戸末期から明治前期の陶磁器やガラス製品が、多数発見された。

市が周辺や遺物を検査した結果、小島養生所の跡地であることが判明した。長崎大学の下川功医学部長(当時)は昨年12月、同大学の卒業生である秋野氏に遺構の保存と活用について相談。これを受けて秋野氏は下川学部長と共に、同遺構を文化財に登録するよう文化庁に要望してきた。

一方、党市議団も田上富久市長に対し、「養生所の遺構は長崎を代表する歴史的な文化財」として、議会質問や要望を通じて市の史跡に指定するよう求めたほか、仁田佐古小学校の新校舎建設に併せて、遺構の一部を保存し、展示するよう訴えてきた。

文化庁の答申や党市議団の要望などを受け田上市長は6月、遺構の一部を市史跡に指定。今後、保存や展示の方法を検討していくことも明らかにしている。向山団長は「児童や地域の誇りとなるよう、さらに取り組みの充実を市に働き掛けていく」と語っている。

視察に先立ち秋野氏と党市議団は、稲田町3組自治会の上田宏次自治会長(80)と西小島上の切自治会の杉本信幸自治会長(68)と懇談。上田、杉本両自治会長は「遺構の一部を保存し、展示されることは喜ばしい」と歓迎した。

一方で仁田佐古小学校の児童が現在、旧仁田小学校の校舎を使用していることを踏まえ、両自治会長は「子どもたちが地域の歴史を新しい校舎で学べるよう、遺構の保存とともに、早急に新校舎の建設も進めてほしい」と要望した。

これに対し、秋野氏は「公明党のネットワークで、迅速に課題解決に取り組んでいく」と述べた。

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