eコラム「北斗七星」

  • 2017.10.10
  • 情勢/社会

公明新聞:2017年10月9日(月)付



「ウワバミ」。今では、ほとんど使われない、大蛇の別称である。このウワバミをネタにした落語が『夏の医者』(ちくま文庫『桂枝雀爆笑コレクション2』所収)だ◆ウワバミと3度言った後、枝雀は「朝日新聞か何かに、インドネシアのほうで大蛇が出て二十人を食うたちゅうのがね、出まして、やっぱり今でもあんねんなあ」と観客の気を惹く。オチは「三日ほど後の新聞に、いや、あれは二十人でその蛇を食うたんやということがまた出ました」◆『夏の医者』は1984年、米ペンシルベニア州で披露されている。英語版落語の第一作目にもなった記念碑的作品だ。今でいうフェイクニュース(偽りの情報)をネタにするあたりに、「上方落語の爆笑王」と称されてきた理由もあろう◆それにしても、何が偽物で、何が本物なのか。枝雀ならずとも見分けにくい。新党ができると、旧民主の野党第1党・民進が分裂。衆院選に臨む前職は右に寄ったり、左旋回し別の党をつくるなど右往左往。どうも"自分が第一"のようだ◆かつて民主党政権の失敗の本質について、「『政権交代。』のキャッチフレーズがいみじくも示すとおり、政権交代のあとは句点だ。その先がない」(日経)と指摘していた。政治の肝である、政策実現力がある本物の人は誰か、どの党か。答えは明らかだ。断固勝利へ猛進したい。(田)

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