e鋳物(いもの)づくりの伝統生かす

  • 2017.09.28
  • 生活/生活情報

公明新聞:2017年9月28日(木)付



技術継承の「工房」実現へ
建設場所と予算の確保 公明市議、浜田氏が連携
富山・高岡市



鋳物の生産が盛んな富山県高岡市は、高岡鋳物の発祥地である金屋町で「金屋鋳物師町工房」(仮称)の建設計画を進めている。鋳物づくりの職人・鋳物師が集まる町としての魅力を生かしながら、伝統的な鋳物技術の継承と地域活性化をめざす。公明党の浜田昌良参院議員と市議会公明党の、ひづめ和子、吉田けんたろうの両市議(ともに市議選予定候補)の連携で実現した。

石畳の道に千本格子の古い家々が立ち並ぶ金屋町。全国で唯一、鋳物師町として国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている。400年以上の伝統を誇る高岡銅器をはじめ、古くから茶釜や鉄瓶など鋳物の製造が盛んで、今も鋳物師が伝統の技を受け継ぎながら新製品も開発している。

高岡市は、職人の技術や風情ある街並みなどの魅力を生かし、新たに工房を整備。高齢化などに伴う担い手不足の解消へ、伝統工芸士などのベテラン職人が鋳物師をめざす若者や若手職人を支援し、伝統技術を継承していく拠点の役割を担う。一方、住民が集会所として利用できるようにするとともに、観光客が本格的な鋳物製作の現場を見学し、鋳物関係者や住民との交流を深める場にしていく。

高岡市は数年前から工房の創設をめざしてきたが、建設地や予算の確保が課題になっていた。ひづめ市議は、工房の用地に関する住民からの提案を受け止め、予算確保について浜田氏に相談。浜田氏が国の関係部署と連絡を取り、国土交通省の「街なみ環境整備事業」の対象となることを確認し、景観形成のための施設を設置する費用として、国から2分の1の補助が受けられることが分かった。

その後、ひづめ市議は住民と共に市に対して、国交省の補助金を活用して住民が提案した場所に同工房を建設するよう求めてきた。それを受け、市が国交省に事業を申請して認められたことから、提案場所への建設が決まった。今年度は設計などを行っており、来年度以降に建設が開始される予定。


住民交流、若者定住も期待


金屋町のまちづくりに取り組むNPO法人「金屋町元気プロジェクト」の加藤昌宏委員長は「自分の工房を持っていない若い職人は多い。ここにできる工房で腕を磨いてもらい、移住にもつながれば」と期待を膨らませている。浜田氏は「今後も地方議員と連携して町のにぎわいを創出し、高岡のものづくりの伝統を全国に発信していきたい」と語っていた。

月別アーカイブ

iこのページの先頭へ