eコラム「北斗七星」

  • 2017.08.10
  • 情勢/社会

公明新聞:2017年8月10日(木)付



夏の冷ややっこはもちろん、1年を通して日本の食卓でおなじみの「豆腐」。スーパーでも数多くの商品が並び、どれを買うか迷った経験がある人も多いことだろう◆それもそのはず。現在は大豆の使用割合などに応じた表示ルールがなく、こだわり製品も汎用品もひとくくりに「豆腐」として売られている。このため、買う側は品質の差が分からず、価格ばかりに目が行きがち。製造側も小売業者に買いたたかれやすい◆こんな現状を打開しようと、豆腐事業者の全国団体が委員会を設け、業界の自主ルールである「公正競争規約」作りを進めている。規約案では、①「とうふ」(大豆の割合が10%以上で、大豆、凝固剤、水だけを使用)②「調製とうふ」(同8%以上、調味料など使用)③「加工とうふ」(同6%以上、焼き豆腐など)――に分類し、成分を表示する◆ちなみに1丁300グラムで比べると、「とうふ」が約150グラムの大豆を使うのに対し、「加工とうふ」は約90グラム。また「最高級」「本格」「天然」といった根拠が曖昧な表示は禁止する方針だ。新表示は2018年度中の消費者庁と公正取引委員会による認定、告示をめざす◆食品の品質が分かる分類と成分の表示は、消費者の的確な商品選びに役立ち、製造側も良品の市場拡大が期待できよう。歓迎したい。(翼)

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