eコラム「北斗七星」

  • 2017.08.04
  • 情勢/社会

公明新聞:2017年8月4日(金)付



夏休みの旅行日数は1泊2日が最多の41%、次いで2泊3日が34%。8泊以上はわずか2.6%―。大手旅行会社JTBが発表した今年の旅行動向だ。2週間程度の連続休暇は当たり前という欧米との違いを、改めて痛感せずにはいられない◆そもそも日本では年次有給休暇の取得率が50%に満たず、国際的には最低水準にある。米国の大手ネット旅行会社エクスペディアによると、有休取得に罪悪感を感じる人の割合が日本では6割近くに上り、諸外国に比べ格段に高い◆これでは2週間の連続休暇など夢のまた夢というほかないが、まずは有休の取得率を高めることから始めるのが現実的だろう。政府の目標は「2020年までに70%」。あと3年で20ポイント以上引き上げるのは容易ではないが、官民挙げて実現をめざしたい◆有休の取得促進は政府が進める「休み方改革」の一つ。夏季やゴールデンウイークに集中する観光需要を分散させるため、学校の夏休みなど長期休業の一部を別の時期にずらして連休を増やす案なども検討されている◆ともあれ「休み方改革」の主眼は、国民の健康と生活の質の向上にある。これから増えるであろう休みの日をどう使うか。旅行や休息に利用する人もいれば、婚活や妊活に充てたい人もいるだろう。それぞれに知恵を絞りたい。(幸)

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