eコラム「北斗七星」

  • 2017.08.02
  • 情勢/社会

公明新聞:2017年8月2日(水)付



論語にある「信なくば立たず」は三木武夫、小泉純一郎の両元首相が座右の銘とした。政治には何が大切か。弟子に問われた孔子は食糧と軍備、信頼の三つを挙げた。中でも人民が政治に信をおくことを第一と答えている◆最初の二つを内外の課題への対応と捉え自公政権に当てはめれば、まずまずの成果を上げてきた。最近のニュースを見ても、経済は2012年の連立政権発足後からの景気拡大局面が8月で戦後2番目の長さに。正社員の求人倍率(6月)は1倍を超えた。欧州連合との経済連携協定にも道筋をつけた◆ところがである。政権内から国民が疑念を抱く問題や、閣僚・政治家の不適切な言動が相次ぎ、最も大事とされる「信」が離れ始めた。安倍内閣の支持率は3割を切る調査も出てきた◆支持率は一喜一憂するものではないというが、人間にたとえれば体温のようなもの。支持率が下がれば内閣の「仕事」に影響する。国民の不満を敏感にくみ取り、軌道修正していく力が必要だ◆あす3日は内閣改造が予定される。連立発足時の合意書には<おごることなく、国民の本当の信頼を取り戻さなくてはならない>とあった。初心忘るべからずである。新内閣の下、勇んで仕事をするしかない。「信なくば立たず」は安倍首相が好んで使う言葉でもある。(辰)

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