e外国人観光客を地方へ

  • 2017.07.31
  • 情勢/国際
[画像]メインイメージ

公明新聞:2017年7月31日(月)付



進む「国立公園満喫プロジェクト」
「日本の大自然 素晴らしい」
"世界が憧れる地"企画、PR
環境省が8カ所で重点支援



環境省は、日本の国立公園を訪れる外国人観光客を増加させる「国立公園満喫プロジェクト」を通じ、地元自治体や民間団体などとタッグを組みながら、滞在型の観光企画やPR活動などに着手している。公明党は同プロジェクトを推進。2020年までに、全34の国立公園に訪れる外国人観光客数を年間490万人(15年推計)から、1000万人へと増やすことが目標だ。このうち、地元が外国人観光客の誘致に意欲的な8カ所の国立公園を環境省が重点支援地域に選定。25日で選定から1年が経過した現地の様子を追った。

「海外では朝夕のフィッシング(釣り)が非常に人気。もっとアクティビティー(遊び)を充実させれば観光客の滞在時間が増え、宿泊にもつながるはず」。日本国内で観光ツアー企画などの会社を経営するニュージーランド出身のマイク・ハリスさん(44)は、日光国立公園内の中禅寺湖(栃木県日光市)で、環境省職員、旅行会社の社員ら同行者に指摘した。

この日は、国立公園満喫プロジェクトの一環で、環境省が日本に住む3人の外国人を日光国立公園内に招き、日本の旅行会社が用意した観光企画に対する率直な意見を聴取。一行は中禅寺湖でボートに乗って"水上散歩"を体験したほか、湿原が広がる「戦場ケ原」や名瀑「湯滝」を巡る1時間のハイキングに汗を流した。「緑豊かで空気がきれい。気持ちよかった」。米国人女性(26)が笑顔を見せた。

国立公園満喫プロジェクトは、政府の「明日の日本を支える観光ビジョン」に位置付けられた施策で、2020年の訪日外国人観光客数4000万人目標の達成へ向け一端を担う。

日光など8カ所の重点支援地域では、環境省がそれぞれ地元の自治体、観光協会などと連携し、外国人観光客が満足できる観光企画の充実や、空き家など廃虚の撤去といった景観改善、無料Wi―Fi(ワイファイ)の利用環境の整備などを進める。SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)や、国内・国際線の飛行機内でのCM放送などを通して、国立公園のPRにも力を注ぐ。

大山隠岐国立公園では廃屋撤去を進め、その場所に特産品を購入したり、飲食できる「山の駅(仮称)」(鳥取県大山町)を建設している。鳥取県大山町観光商工課は「山の駅を中心に外国人観光客を呼び込み、にぎわいのある街をめざす」と力説した。

日本の風光明媚な自然の魅力は、日本人だけでなく外国人の心にもしっかりと響いている。3回目の日本旅行で初めて日光国立公園を訪れたというフランス人の男性(55)は「素晴らしい場所だった。日本の良さは、東京や京都だけではない」と語っていた。環境省国立公園課の加藤雅寛エコツーリズム推進係長は「世界が憧れる地へブランド化を進めることで、外国人観光客を増やし、地方の活性化につなげたい」と意気込んでいる。

月別アーカイブ

iこのページの先頭へ