e8月からの医療・介護の自己負担

  • 2017.07.31
  • 情勢/解説
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公明新聞:2017年7月31日(月)付



高額療養費
70歳以上の上限改定
「一般」の引き上げ 公明主張で大幅圧縮
低所得者は据え置き



問い 8月から医療・介護の自己負担が見直されると聞きました。背景と内容を教えてください。(長野県 F・M)

高齢化に伴い、医療や介護などの社会保障費が年々、大きく伸びる中で、財政の悪化を防ぎ、健全化を進める観点から、その伸びを一定程度に抑えることが求められています。

そこで今回、全世代で社会保障制度を支えていくため、一定の所得がある高齢者と、介護保険料を納める40~64歳の現役世代の一部に、負担をお願いすることになりました。8月1日から施行されます。

医療分野では、収入に応じて1カ月の医療費の自己負担額に上限を設ける「高額療養費制度」について、70歳以上の限度額を改定。

外来診療の場合、年収370万円未満(住民税非課税を除く)の「一般」区分の人は、現在の1万2000円が1万4000円になります。

当初、厚生労働省は現行の2倍以上となる案を示しましたが、公明党として慎重な検討を求める決議を行い、ギリギリの折衝を進めた結果、引き上げ幅が大幅に圧縮されました。また長期療養者への配慮も強く求めた結果、年間上限額(14万4000円)が新設され、年間で見れば負担は据え置かれます。

年収370万円以上の人は、外来診療の場合、現行の4万4400円から5万7600円となります。なお、公明党の強い主張で、住民税非課税の人は従来通り据え置かれることになりました。

介護サービスの負担上限を設ける「高額介護サービス費制度」では、住民税が課税される「一般」区分の世帯で、自己負担限度額が3万7200円から4万4400円に引き上げられます。利用料の自己負担割合が全員1割(年金収入280万円未満)の世帯は、3年間の時限措置として年間上限額(44万6400円)が設けられました。


現役の介護保険料に「総報酬割」

一方、40~64歳の現役世代サラリーマンの介護保険料(労使折半)には、新たな計算方法として、収入に応じて額が決まる「総報酬割」が導入されます。

給与水準が比較的高い大企業の場合、収入に応じて負担が増えることになりますが、中小企業などで働く人は保険料が下がります。負担が増えるのは約1300万人、減るのは約1700万人と見込まれています。

「総報酬割」は急激な負担増を避けるため段階的に導入し、2020年度に完全実施の予定です。

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