eコラム「北斗七星」

  • 2017.07.31
  • 情勢/社会

公明新聞:2017年7月29日(土)付



ドクターヘリを題材にした民放ドラマ「コード・ブルー」。シリーズ3作目の今回も、過酷な救急医療の現場で真摯に患者の命と向き合う医師たちの姿がリアルに描かれている◆同ドラマの初放映は、ドクターヘリの全国的な配備を進める特別措置法が公布された2007年の翌年。当時、10数機だったドクターヘリは、公明党の推進により今年4月現在、41道府県で51機体制(東京は別方式)に拡充。今や救急医療の切り札として認知され、その出動件数も増加傾向にある◆東日本大震災が発生した11年3月に運航を開始した高知県では、昨年度の出動件数が導入当初の約2倍に増え、今年度は1000件を超えるとの予想も。特に医師不足に悩む地域では救急患者の受け入れ体制が弱いため、即座にドクターヘリの出動を要請するケースが多くなっているという◆高度な操縦技術が要求されるパイロットの確保も大きな課題。国土交通省では、安全運航に必要な訓練の実施を前提に、飛行経験時間の要件を緩和する新基準を決め、来年4月から適用する方針だ◆ドラマでは、フェローと呼ばれる若い新人医師たちがどう成長していくかも見所の一つだが、人材確保の重要性は、医療分野にとどまらない。現実の課題と向き合いながら新しい力を伸ばし、育てる努力が必要だ。(祐)

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