eここに日中友好"金の橋"

  • 2017.07.24
  • 情勢/国際

公明新聞:2017年7月24日(月)付



中国国歌作者の2人をテーマに特別コンサート
両国から300人出演
音楽通して草の根交流
神奈川・藤沢市



神奈川県藤沢市では19日、日中国交正常化45周年を記念して特別コンサート「日中友好のつどい」(主催=NPO法人 田漢文化交流会)が開催された。公明党の三浦信祐参院議員と藤沢市議団(塚本昌紀団長)のメンバーも駆け付け、主催した田漢文化交流会理事長の田偉さんと開催を喜び合った。

「前進! 前進! 前進!」。勇壮な調べが、会場に響きわたり、コンサートが始まった。中華人民共和国の国歌「義勇軍行進曲」だ。作曲した聶耳と作詞した田漢、そして藤沢市――この三者の不思議な縁でコンサートは実現した。

今から82年前の7月17日、日本を訪れていた聶耳は遊泳中の鵠沼海岸(藤沢市)で帰らぬ人となった。まだ23歳の若さだった。

戦後間もなく「義勇軍行進曲」が中国国歌となると、藤沢市民有志の運動で聶耳の記念碑が建てられた。その後、周辺が記念広場として整備され、毎年7月17日には、碑前祭が行われるようになった。

一方、主催者である田偉さんは、「義勇軍行進曲」を作詞した中国の著名な文化人である田漢の姪。中国で生まれ育ち、結婚を機に来日。聶耳の記念碑が市民の手で建立されたことを知り、感激した。「いつの日か、藤沢市で日中友好のコンサートを開き恩返しをしよう」

コンサートの冒頭、あいさつに立った三浦氏は「藤沢市は中国国歌をつくった聶耳氏の大事な記念碑を保存している唯一の場所。私も日本と中国が交流を深めて、未来志向の世界をつくっていけるように尽力する」と決意を述べた。

テーマは「田漢と聶耳の物語」。建国前の激動の時代に、歌曲の力で民衆を鼓舞した2人の作品がプログラムの中心だ。200人を超える中国の芸術家たちが、民族楽器による演奏、歌と舞踊、寸劇、昆劇(中国の伝統劇)などを熱演。田偉さんが1年間かけて国内外を回って参加を呼び掛け、自費でコンサートに出演してくれた人たちだ。

日本からは、地元の市立滝の沢中学校合唱部、県立湘南高校合唱部など100人近くが出演。湘南高が中国の代表的な民謡「草原情歌」を中国語で歌い始めると、場内の中国関係者から熱烈な拍手が湧き起こった。

フィナーレでは、出演者全員が舞台に上がり、中国民謡「大海よ、故郷」を大合唱。田偉さんが「藤沢、愛しています。来年もこのコンサートを続けていきたいです」と呼び掛けると、会場の熱気は最高潮に達した。

合唱で出演した湘南高の男子生徒は「歌を通して、違う国の人とつながれて楽しかった。ぜひ中国に行ってみたい」と話した。


公明市議が開催に尽力

党市議団はこれまで、日中友好の"金の橋"を発展させようと、中国から多くの人が訪れる聶耳記念広場に中国語の石碑を設置するなど尽力してきた。

塚本団長は、藤沢市でのコンサート開催について田偉さんから相談を受けると、市との橋渡し役となり、成功のために奔走した。コンサートを終えて塚本団長は「これを契機に、藤沢市と中国との草の根交流を、さらに広めていきたい」と力を込めた。

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