e誰もが生き生き地域貢献
- 2017.07.05
- 政治/大阪
公明新聞:2017年7月5日(水)付
注目の「豊中あぐり」「びーの×マルシェ」
党生活支援PTが視察
大阪・豊中市
定年後の男性や障がい者が地域に貢献しながら生き生きと暮らせる――。そんな希望をかなえる取り組みが進んでいる。大阪府豊中市の社会福祉協議会が実施している「豊中あぐり」と「びーの×マルシェ」の二つの事業が好評で、注目を集めている。
定年後、農業を楽しむ
「豊中あぐり」は、定年退職した男性が、野菜や米を育てながら地域とのつながりを深める都市型農園事業。昨年4月の「岡町菜園」に続き、今年6月に2カ所目となる「原田ファーム」が開園した。
参加者のほとんどは元サラリーマン。市社協によると、農園では会社員時代の肩書きが関係ないからこそ、つながりを築きやすいという。実際に野菜作りに励む60歳代の男性は「広い土地で仲間と共に作業できることがうれしい」と語る。
さらに参加者は、地域の実情を学ぶ中で、認知症の人のサポートなどのボランティア活動を積極的に行うなど、新たな地域活動の担い手となっている。
一般的に定年退職後の男性は、会社勤め時代に比べて極端に人とのコミュニケーションの機会が減る傾向にある。「豊中あぐり」では、野菜の水やりや草抜きなど継続的に活動に参加するため、会話の機会が増え、参加者同士の関係が深まり、生きがいの創出にもつながっている。
発起人である市社協の勝部麗子さんは「将来的には、障がい者やその家族など、幅広い人が関われる『ユニバーサル農園』として整備していきたい」と語った。
ひきこもりの復帰サポート
もう一つの「びーの×マルシェ」は、食品・雑貨販売店で、ひきこもりを経験した若者が働きつつ社会復帰をめざす場所だ。
発達障がい者やひきこもりがちな人を支援する市社協のプログラム「豊中びーのびーの」と市小売商業団体連合会が協力して運営している。
店内には、同プログラムで作られた小物のほか、地元小売店の野菜やパンなどの商品が並ぶ。また、「豊中あぐり」で収穫されたジャガイモとタマネギを使用したコロッケも売られており、6次産業化にも着手している。
「マルシェで働き始めた人が生き生きと、元気になっていく様子が見て取れる」と勝部さん。また、近くに買い物できる場所がないことから、"買い物難民"対策にも一役買い、地域の高齢者も大喜びだ。
勝部さんは「『豊中あぐり』も『びーの×マルシェ』も各方面から取材依頼が来ている」と注目されている様子を語っていた。
公明党生活支援プロジェクトチーム(PT)の山本香苗座長(参院議員)と中野洋昌事務局長(衆院議員)はこのほど、同市を訪れ、「豊中あぐり」と「びーの×マルシェ」を地元市議らと視察した。山本座長は「どちらの取り組みも、生きがいを持って暮らせるよう工夫された好事例だ。こうした事業が全国に広がるよう支援していきたい」と語った。