eコラム「北斗七星」

  • 2017.06.15
  • 情勢/社会

公明新聞:2017年6月15日(木)付



どこにしまったか失念した本を探していたら、思わぬ絵本が出てきた。今は母となった長女が幼い頃に買い求めた「母をたずねて三千里」。本作は北斗子が小学校入学後、初めて学校図書館で借りて読んで感動し、以後、学校図書館を頻繁に利用するきっかけになった本だった◆この学校図書館で、本の選定や管理はもちろん、教師と相談して授業で使う本を準備したり、児童・生徒の読みたい本や調べたいことの相談に乗ってくれたりする、専門的な知識を要する職員が「学校司書」だ。子どもたちと接し、本や知識の世界へ"橋渡し"する大切な役割を担う◆だが、学校司書の配置は、なかなか進んでいない。2014年に改正された学校図書館法は学校司書を置くよう努力義務を設けたが、昨年4月時点の配置率(文部科学省調べ)は公立小中学校で6割弱にとどまる。しかも都道府県によって数%から100%まで格差がある。自治体が独自の予算で雇うため、待遇もまちまちだ◆読書は子どもたちの情操を育む上で欠かせない。公明党が各地方議会で、家庭や地域での「読み聞かせ運動」や学校での「朝の10分間読書運動」などとともに、学校司書の配置拡大を推進しているのも、このためだ。◆子どもたちの「本との出会い」を広げる学校司書の活躍に期待したい。(翼)

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