e子育て世代向けに改修

  • 2017.06.01
  • 生活/生活情報

公明新聞:2017年6月1日(木)付



高齢化率が高い市営住宅
民間のアイデア 生かし4戸提供
地域活動への参加も条件に
名古屋市



高齢化率が高い市営住宅に若い世帯を呼び込もうと、名古屋市はこのほど、デザインなどに民間企業のアイデアを取り入れ、同市天白区の市営住宅「高坂荘」(755戸)の4戸を子育て世代向きの「リノベーション住宅(リノベーション=改修)」に整備し話題を呼んでいる。民間の力を生かした公営住宅の改修は県内初で、全国的にも珍しい。推進してきた公明党の馬場規子市議は、三輪芳裕、木下優の両市議と同住宅を視察した。

市は高坂荘の改修に当たり、子育て世代向けの魅力的な住まいに一新するため、アイデアの提供などで協力企業を募集。この中から大手ホームセンターを選定した。これまで3Kの間取りだった1階の4戸を2LDKと1LDKの2戸ずつに改修。炊事をしている時も子どもを見守れるよう、キッチンを部屋の中心部に配置したり、玄関にベビーカーを置くスペースを設けるなどの工夫が凝らされている。

また、5月11~14日に開催された住宅の内覧会では、実生活のイメージが湧くように、子育て世代を意識した家具や照明などのインテリアをホームセンターがコーディネート。チョークで落書きできる壁紙なども用意した。

募集対象は、中学生までの子どもがいる世帯もしくは35歳以下の夫婦のみの世帯(いずれも世帯の所得が月額12万3000円~48万7000円)。併せて、地域活動に参加することも条件に加えている。家賃は月額4万2000円。5月30日時点で8組の応募があり、抽選により入居者を決定する。入居は今月下旬の予定。市は「若い入居者を迎え、地域コミュニティーの活性化につながれば」と期待を寄せている。

高坂荘には714世帯1209人(今年1月末現在)が居住しているが、65歳以上の高齢者が半数以上を占める。このため、住宅内の大掃除や草むしりなどに参加する住民が年々減少し、自治会活動の担い手不足が大きな課題になっている。さらに、同荘を中心とする高坂学区(小学校区)では65歳以上の高齢化率も市内全学区で最も高い41.9%に上り、盆踊りや祭りなどの地域行事は、高齢者が幾つもの役職を掛け持ちしながら支えているのが実情だ。

こうした状況を打開しようと、同学区では2015年度から住民と行政が連携し、自治会活動の担い手となる若い世帯を呼び込む方策を協議。市営住宅を管理している市住宅供給公社も、老朽化している住宅を若い世帯向けに改修できないかと検討を進め、民間企業の知識やアイデアを活用することにした。


公明も実現に尽力

公明党も若い世帯向けの住宅づくりを支援。馬場市議は15年11月定例会で公営住宅の福祉的役割を強調し、誰もが健康で安心して生活できるよう建て替えや整備が必要だと指摘。特に、老朽化した市営住宅に若い世帯を呼び込むためのリノベーションに取り組むよう訴え、高坂荘の改修にも尽力してきた。

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