e公明党の取り組む意見書のポイント

  • 2017.05.22
  • エンターテイメント/情報

公明新聞:2017年5月22日(月)付



公明党は、国民の暮らしの向上、安全・安心の社会づくり、経済活性化などをめざし、地方議会でさまざまなテーマについて国への意見書を提案し、世論を喚起、集約する運動を進めています。6月定例会に向けた意見書(案)を紹介します。


ギャンブル依存症対策


規制や監視行う独立組織を提案

「依存症」には、アルコール依存症や薬物依存症をはじめ多様な形態が存在します。その共通点は、自分の意思でその摂取や行動をコントロールできないことにあり、それぞれ深刻ですが、ギャンブル依存症への対策はこれまで、十分に講じられているとはいえない状況でした。

特に、昨年末に成立した「特定複合観光施設区域整備推進法」(IR法=総合型リゾート法)をめぐる議論の中で、競馬をはじめとする公営ギャンブルやパチンコなどにも関連する日本のギャンブル依存症対策の不十分さが浮き彫りになりました。

このため公明党は、同法の審議過程の議論の中で、一貫してギャンブル依存症対策の強化を求めるとともに、衆参の内閣委員会で同法の採決時に、運用に際してはギャンブル依存症対策にさらに取り組むことを付帯決議に盛り込ませました。

付帯決議では、(1)ギャンブル依存症予防の観点から、カジノに厳格な入場規制を導入すること(2)カジノ以外も含めたギャンブル依存症患者への対策の抜本強化(3)入場規制やギャンブル依存症対策の検討に当たり、諸外国のカジノ規制の現状を踏まえた上で、犯罪防止や治安維持、青少年の健全育成、依存症防止の観点から、世界最高水準の厳格なカジノ営業規制を構築すること―などを政府に求めています。

この付帯決議などを受けて政府は、菅義偉内閣官房長官を中心とした「ギャンブル等依存症対策推進関係閣僚会議」を昨年末に設置して議論を進め、3月末に現状と課題、対策強化などに関する論点を整理しました(内容は首相官邸ホームページで閲覧可能)。同会議は対策強化についての意見を、6月中にまとめることをめざしています。

意見書では、こうした現状について、ギャンブル依存症が自己破産や家庭崩壊、犯罪などにつながる深刻な問題があったにもかかわらず、その実態が十分に把握されていなかった実情に触れながら、政府に早期の実態把握を促すとともに以下の対策を求めています。

1 公営ギャンブルなどは、所管官庁が複数にまたがり、しかも規制と振興の担当官庁が同一であるため、一元的な規制が困難な側面があり、ギャンブル等依存症対策の十分な実施が望めない。そのため、ギャンブル等依存症対策の企画立案、規制と監視を一元的に行う独立組織の設置を検討する

2 3月の論点整理等を踏まえ、ギャンブル等依存症問題への具体策や実施方法を早急に検討する

3 ギャンブル等依存症対策の法制化を進める中で、先行しているアルコール依存症や薬物依存症への取り組みと合わせ、さらに対策の深化を図る


雪崩など山岳遭難者救助


位置検知システムの導入を提言

この3月、栃木県で、高校生8人が犠牲となる痛ましい雪崩遭難事故が発生しました。事故当日は当該地域に気象庁が「なだれ注意報」を発令していました。

事故を受けて政府は、都道府県知事などに「融雪出水期における防災体制の強化について」、大学などの教育機関に「冬山登山の事故防止について」という通知をそれぞれ出しました。

今後も、山野をスキーで走るバックカントリースキーを行う観光客が増えていることなどにより、予期しない雪山遭難が増加するおそれがあります。

意見書では政府に対し、遭難者の位置情報を検知できるGPS(人工衛星を利用した全地球方位システム)の活用を中心に、山岳遭難全般にも適用できる取り組みを次のように求めています。

1 山岳での電波伝達性に優れた周波数150メガヘルツ帯の位置検知システムの導入を促進する

2 周波数の有効利用を促進するため、時間的有効利用が可能なシステムの専用周波数を確保する

3 登山関係者の自立自助を基本とした検知システムの運用体制整備を図る

4 登山者が位置情報を知らせる端末を安価に保有できるようにするため、レンタル制の導入や標準規格の統一化を図る

5 電波を発信する登山者位置検知システム(特定小電力無線局を除く)への免許を速やかに行う

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