e認知症のお年寄りの居場所づくりに取り組む

  • 2017.05.15
  • 情勢/社会

公明新聞:2017年5月15日(月)付



4月本格オープン 協力して運営担う
党長野・千曲支部の党員グループ



認知症の高齢者らの居場所となる「オレンジカフェ」に取り組む、公明党長野県本部千曲支部(柳澤眞由美支部長=市議)の党員らでつくる「ドリームネットちくま」(小林美根子代表=党千曲支部副支部長、同女性局長)の活動を紹介します。

「おはようございます!」「お世話になります!」――。4月27日朝、千曲市の中心街近くにあるグループホーム「まゆ更科」に、元気なあいさつとともにボランティアの女性が集ってきました。同日午前10時から本格オープン(毎月第4木曜日の実施)となるオレンジカフェ「ゆめ」の準備のためです。会場は「まゆ更科」の入居者共用部分であるロビーの一角。手際よくテーブルや、千曲市の包括支援センターから借りたパイプいすなどを並べてカフェをセッティング。家の庭からヤマブキの花を手折り持ち、花びんに生けて飾るメンバーも。

開始時間を待ちかねたように、利用者が施設を訪れます。訪れた人には茶菓子代と保険料などとして一人100円を負担してもらいます。ドリップ式のコーヒーや日本茶などを提供し、茶菓子を添えます。小林代表は、ご近所にもらったホウレンソウを湯がいたものを大きなタッパーに入れて持参。これもお茶請けに。

利用者は、認知症の高齢者だけではありません。自宅で介護している近親者が付き添って来たり、普段は夫の介護をしている人が友人とともに訪れたりしています。最初は他人行儀だった利用者からも、世間話や介護の苦労話などが出て、うなずいたり笑ったり、楽しい空間になっていきます。

カフェの最後には、副代表の三俣成子さんの伴奏で、童謡の替え歌「年を取るってどんなこと?」などをみんなで合唱。利用者は、にこやかな笑顔で帰って行きました。

「まゆ更科」の服部幸恵所長は「利用者が少しでも居心地よく過ごせるように、そしてその人らしい人生を送るお手伝いができればとの思いです。ドリームネットちくまのメンバーは、熱心に携わってくれて心強い」と話します。

北川万寿子、山﨑留美子両副代表もスタッフとして参加。三俣副代表は「反省することも多く、まだまだこれから」と述べ、山﨑副代表は「認知症の家族がいるため、オレンジカフェのような場があればいいなと思っていました」と語ります。小林代表は「今後とも、たとえ短時間でもリフレッシュできる場であってほしい」と話していました。


サポーター、傾聴ボランティア 養成講座から発展

ドリームネットちくまは2013年から14年にかけて、服部所長に講師を引き受けてもらい認知症サポーター養成講座と介護に役立つ「傾聴講座」を開きメンバーらが受講。ボランティア実習を経て14年4月から「まゆ更科」で、入居者の話し相手になる傾聴ボランティアの活動を続けています。傾聴ボランティアでは、話し相手だけでなく、入居者と一緒に歌を歌い、本の読み聞かせ、散策の付き添い、掃除や料理の手伝いなども行っています。

こうした活動が信頼を生み昨年、市の包括支援センターや社会福祉協議会から「オレンジカフェ」創設の打診を受けたドリームネットちくまは、先進地域の取り組みを視察し関係者とも打ち合わせ、市内の他のボランティアグループとも協力して「まゆ更科」から会場提供を受けて今年1月と3月にプレオープンとして試行実施。同市で二つ目のオレンジカフェとして、前述の4月27日のオープンを迎えました。

柳澤支部長は、地域貢献の一環として、認知症のお年寄り支援や認知症予防のためメンバーが熱心に活動していることに感謝するとともに、「困っている一人一人に寄り添うことをモットーに、できることは何でもやっていきたい」と決意しています。


【オレンジカフェ】
「オレンジカフェ」の名称は、国の『認知症施策推進5か年計画』(13~17年度)の通称「オレンジプラン」に由来。「オレンジ」は、認知症サポーターが身に着けるオレンジリングからきています。違った名称で実施している地域もあります。

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