eコラム「北斗七星」

  • 2017.04.27
  • 情勢/社会

公明新聞:2017年4月27日(木)付



仕事帰りに、ふと夜空を見上げたら、またたく星の姿が目に入った。東京で見える数は少ないが、それでも星の輝きは心を癒やしてくれる◆縦に長い日本列島は、北と南で夜空の見え方も異なる。最南端の有人島である沖縄・波照間島は、南十字星を眺めようと多くの天文ファンがやってくる。一方、北海道などでは、太陽活動が活発な時期、北の空にオーロラが出現することも◆国内でオーロラはなじみが薄いが、実は古くから観測の記録が残されている。藤原定家の『明月記』では、鎌倉時代の1204年に京都で夜空が光る「赤気」が出現し、「山の向こうの火事のようだった」と記している。この「赤気」がオーロラであったことが最近の研究で裏付けられた。さらに明月記には、寿命を終えた恒星が起こす「超新星爆発」も記録されている◆800年後の今も、超新星爆発がカウントダウン状態にあるという。オリオン座の1等星「ベテルギウス」だ。大きさが太陽の1000倍もあるこの星が爆発すれば、昼間でも明るく輝き、大天体ショーが見られそうだ◆洋の東西を問わず、人は古くから星にさまざまな望みを託してきた。平和と幸福は人々に共通する切なる願いに違いない。間違っても天空からミサイルが降ってくるようなことは、断じてあってほしくない。(千)

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