e「子ども食堂」が各地に

  • 2017.03.03
  • 生活/生活情報

公明新聞:2017年3月3日(金)付



家庭の事情などで一人で食事をする子どもらに低価格で食事を提供する「子ども食堂」が各地に広がっている。公明議員の取り組みを紹介する。


自治体が直接運営


4月から本格実施 週1回全児童館で開設 群馬・太田市

群馬県太田市は昨年12月23日から、市内在住の小・中学生を対象に食事を提供する「こども食堂おおた」を14の児童館で開設し、試行実施している。自治体が直接運営するのは県内で初めて。市議会公明党(川鍋栄幹事長)はこのほど、市児童センターを訪れ、関係者から話を聞いた。

試行期間は3月まで。料金は1食100円で、月1回正午から午後1時まで開かれ、メニューはカレーライスのみ。飲み物は持参。利用するには1週間前までに各児童館に申し込む。4月からは本格実施する予定で、全15の児童館を火曜日から金曜日に分けて、週1回午後5時から同6時まで営業するという。食堂の運営は、市児童施設課と各児童館が連携して行っている。

同センターの館長は「この取り組みを通して、子どもたちに楽しい食事を教えてあげたい」と語っていた。

こども食堂については、星野一広市議が昨年9月の定例会で開設を提案していた。


運営上の課題探る


連携して解決へ尽くす 西田氏らが視察 埼玉・川口市

公明党埼玉県本部の西田実仁代表(参院議員)は2月25日、埼玉県川口市内で、寄付で集まった食材や資金を基にボランティアが開く「川口こども食堂」(佐藤匡史代表)を視察した。これには萩原一寿県議、石橋俊伸、芦田芳枝の両市議が同行した。

同食堂では、両親が共働きで自宅で一人で食事をしていたり、経済的な理由で十分な食事を取れない子どもたちに月1回、低額で夕食を提供。将来就きたい職業を考えてもらおうと、公認会計士など、さまざまな職種の人を講師に招いたり、参加者同士で遊ぶ時間も設けている。

この日、ハヤシライスや菜の花のおひたしなど、出来たての料理を、子どもたちはおしゃべりを楽しみながら平らげていた。

佐藤代表は「子ども食堂の立ち上げや、調理ボランティアに興味を持っている人は潜在していると思う。そうした人が連携していける場が必要」と強調。また、安定して運営できる常設型には会場の確保が課題で、孤立しがちな親子を必要な支援につなぐことも必要と訴えた。

西田氏は孤食を防ぎ、居場所にもなるとした上で「運営上の課題解決や周知へ、国と県、市の公明議員で連携して取り組んでいく」と話していた。


居場所としても定着


自主学習やゲーム通し交流 兵庫・宝塚市

兵庫県宝塚市では、「子どもかがやき食堂」(小縣緑代表)が昨年7月に、「たからづか子ども食堂」(須藤栄一代表)が同10月にオープン。孤食を余儀なくされがちな児童らを対象に、定期的に開かれ、好評を博している。公明党の中野正市議が昨年6月議会で、子ども食堂の運営に携わろうとする市民や団体に対する市の支援強化を主張するなど、開設を後押ししてきた。

中野市議はこのほど、「たからづか子ども食堂」を訪問。須藤代表らスタッフから実施状況を聞いたほか、食事中の子どもたちに「おいしい?」「勉強は進んでいますか」などと声を掛けた。

須藤代表らによると、「たからづか子ども食堂」は市総合福祉センター内で実施。毎月第1、第3月曜日の午後5時から同8時まで、安倉小学校など3校区の子どもや保護者を対象に、食事(子ども100円、大人300円)を提供。自主学習の見守りやゲーム遊びを通した交流を行うなど、子どもの居場所としても定着している。また、開設に際しては、県の補助制度を活用したという。

中野市議は「居場所づくりにも貢献できる子ども食堂は、最低限、1小学校区1カ所程度は必要だと思う。今後、市当局に思い切った施策展開を要請したい」と語っていた。

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