e障がい児支える通級指導

  • 2017.02.23
  • 情勢/社会
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公明新聞:2017年2月23日(木)付



発達障がいなど障がいのある子どもたちが、小・中学校の通常学級に在籍しながら、週1回程度、別室で授業を受ける「通級指導」。担当教員不足が指摘される中、公明党の推進により教員定数が改善され、2017年度から安定的に増員されることになった。障がい児教育を支える通級指導の現場を訪ね、現状を追った。


「私もできる」と自信に


学習と生活訓練で苦手克服

大阪市内のある小学校の一室。そこでは、通級指導を担当する松下久美教諭(仮名)と小学4年生の女子児童が向き合って授業が行われていた。

「20分間で漢字の書き取りをしましょう」。時折、タブレット端末を活用しながら、「句読点って聞いたことない?」「ない」などのやり取りの後、児童の書き上げたノートを見て、松下教諭は「もう完璧だね」と温かく声を掛けた。

女子児童は1年生の頃から、学習障がい(LD)と注意欠陥多動性障がい(ADHD)を併発し、感情のコントロールが苦手で、友達とぶつかることが多かった。また、忘れ物も多く、翌日の準備が深夜になっても終わらないという日々が2年間も続いた。

そこで3年生の途中から、在籍する小学校から1キロほど離れた学校の通級指導に、母親と一緒に通うようになった。やがて女子児童は、障がいに応じた指導が功を奏し、感情と時間のコントロールができるように。今では、すっかり落ち着き、翌日の準備や宿題は1時間以内に終わり、友人関係でイライラすることもなくなった。その様子を見守ってきた母親は「娘は『私だってできる』と自信を持てたようで、表情がとても明るくなりました」と語る。

大阪市が行う通級指導は、ほとんどの授業をマンツーマンで行う。障がいに応じた学習指導と生活訓練に取り組むことで、障がい児が抱える苦手な分野の克服に効果を上げている。

しかし、現場では担当教諭が不足している。通常、自校に在籍する児童・生徒を午前中に受け持ち、午後を他校からの通級指導に割り当てる。仮に午後2~5時の3時間に3人を受け持っても、1週間に15人しか担当できない。そこで受け持つ児童・生徒が多くなれば、本来、1人当たり週1回程度の指導を2、3週間に1回に抑え、対応している。

さらに通級指導の効果を上げるため、家庭や通常学級の担任教諭と指導内容を共有することも大切だ。そのための連絡ファイルは、授業が終わった午後5時以降に作成するしかなく、残業の日々が続く。


17年度から担当教員を計画的に採用・配置


公明、粘り強く訴え

文部科学省によると、通級指導に通う児童・生徒は年々、増加しており、06年度からの10年間で倍以上に上昇している。通級形態で分けると、児童・生徒が在籍する学校で指導を受ける「自校通級」は46.5%、近隣の学校や特別支援学校に通う「他校通級」は46.6%、自校に巡回してくる教員から受ける「巡回指導」は6.8%だ。

担当教員数については、都道府県からの要望に対して87%しか配置できず、不足している。このため、通級指導に通えない"待機児童"や他校通級が増える原因となっている。

公明党は昨年11月、政府に対して、教員を確保するため、毎年の予算折衝の中で増減する「加配定数」から、安定的、計画的に採用・配置できる「基礎定数化」を提案。その後も粘り強く訴え続けた結果、教員定数の改善が決まり、17年度予算案に602人の増員が盛り込まれることになった。


現場に寄り添う政策


障害のある子の未来を考える会 廣嵜美輪代表

2001年から大阪市内を中心に、孤立しがちな保護者同士の情報交換や講演会開催などの活動をしてきました。

私の元に届くのは、子どもについての相談だけではありません。大人になってから、仕事が続かない、膨大な借金を抱えてしまう、親への家庭内暴力や自殺願望など、LDやADHDなどの障がいが原因と思われる相談がいくつも寄せられ、今でも親子ともども苦しんでいる現状があります。

幼少期から、これらの障がいに対するサポートがあれば、深刻な状態になる前に対処できたケースもあると考えています。公明党の推進により、小・中学校での通級指導の教員が拡充されることは、現場の声に寄り添った政策であると感謝しています。

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