e夜間中学を全国に

  • 2017.02.10
  • 情勢/社会
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公明新聞:2017年2月10日(金)付



文科省 設置促進へ手引書作成



公明党の推進で、多様な学びの場づくりを進める議員立法「教育機会確保法」が昨年12月に成立し、夜間中学に関する規定が施行されたことを受け、文部科学省は各自治体向けの手引書「夜間中学の設置・充実に向けて」を作成。1月27日に公表し、全国の地方自治体に発送した。2017年度予算案には、夜間中学の新設・拡充に向けた調査研究などに前年度の20倍に当たる2000万円も計上された。


「教育機会確保法」が契機

教育機会確保法では、不登校などで義務教育を十分に受けていない人への教育機会を確保するため、全ての地方自治体に対し、「夜間その他特別な時間において授業を行う学校における就学の機会の提供その他の必要な措置を講ずるものとする」と義務付けている。

しかし、公立の夜間中学は、16年度現在で8都府県25市区に31校が設置されているのみ【図参照】。そこで文科省は「全ての都道府県に少なくとも一つは夜間中学を設置することをめざす」との方針を掲げ、各自治体で設置に向けた検討が進むよう今回の手引書を作成した。


運営上の工夫、既設校の事例など紹介

手引書は、夜間中学の現状や設置のニーズ、設置・運営上の工夫、既設校の事例などを紹介している。この中では、夜間中学で受け入れる人について、(1)義務教育を修了しないまま学齢期(満6歳の誕生日以後の最初の4月1日から9年間)を超過した義務教育未修了者(2)不登校などで実質的に十分な教育を受けられないまま中学校を卒業し学び直しを希望する人―などを例示。義務教育未修了者だけで少なくとも約12万8000人いるとし、市町村別内訳も示した。

不登校となっている学齢期の生徒については「本人の希望を尊重した上で受け入れることも可能」とし、外国籍の人は「国際人権規約などを踏まえ、日本国籍の者と同様に受け入れ、教育機会を確保することが求められている」とした。



公明党は、教育機会確保法制定以前から、夜間中学の拡大を一貫して推進。14年7月には富田茂之衆院議員の強い主張で、政府の教育再生実行会議の提言に「夜間中学の設置を促進する」と明記された。

同10月には浮島智子衆院議員が国会質問で夜間中学の全都道府県設置を訴え、文科相から具体的に進める旨の答弁を引き出していた。

今回の手引書作成について党文科部会長を務める富田衆院議員は「大きな前進だ。夜間中学の新設・拡充の促進へ、党のネットワークを生かし、全国の地方議員と連携したい」と述べている。

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